2015年のビジネス市場は前年比35.5%減の606万台
2015年のPC出荷台数の内訳は、家庭市場が前年比25.2%減、449万台、ビジネス市場が同比35.5%減の606万台となった。
2015年のベンダー動向を見ると、HPがシェアを0.2ポイント上げ4位になった。上位5社は、出荷台数を前年比で7割まで落としている。このような状況の中、アップルとパナソニックは、マイナス幅を数%にとどめ、シェアを1.7ポイント、0.7ポイントそれぞれ上げている(VAIOは、2014年7月設立のためこの比較の対象から外している)。
2015年第4四半期のPC出荷台数は、前年同期比16.4%減の245万台となった。家庭市場は同比13.5%減の112万台、ビジネス市場は同比18.7%減の133万台だった。2015年第3四半期(7月~9月)に続き家庭市場、ビジネス市場ともに二桁のマイナス成長であった。
Dellは出荷台数シェアが前期から2.0ポイント増の11.2%で4位
2015年第4四半期のベンダー別動向を見ると、上位5社の中でDellが前期(2015年第3四半期)から順位を1つ上げて4位になった。Dellは、量販店向けの販路を強化し、家庭市場の高い成長が貢献した。
1. NEC レノボ グループの出荷台数は、66万台、前年同期比15.7%減。シェアは、前期から2.6ポイント減らし、26.9%になった。
2. 富士通の出荷台数は、42万台、前年同期比24.1%減。シェアは、前期と変わらず、17.1%になった。
3. 東芝の出荷台数は、30万台、前年同期比14.2%減。シェアは、前期から0.1ポイント減り、12.3%になった。
4. Dellは出荷台数のシェアが前期から2.0ポイント増の11.2%になり4位だった。家庭市場では、前年同期比50.5%増と高い成長を達成したことにより、全体では、同比1.5%増の27万台となった。
5. HPの出荷台数は、25万台、前年同期比11.1%減。シェアは、前期から1.2ポイント減り、10.3%になった。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーの片山雅弘氏は、「PCは、SSDの普及に より故障が減り、CPUの性能は向上し、進化を続けている。にもかかわらずPCの出荷台数は減少傾向から抜け出せていない。逆に、このPCの進化が、あだとなった。これまで“壊れた”、“動作が遅くなった”、“容量が足りない”が買い換えの主な理由であった。しかし今、PCを買い換える意識すら薄らいでいる。この背後に、PCの進化 にアプリケーションの進化がついていけてないという根本的な要因がある」と分析している。
今回の発表について詳細は、IDCが発行する「国内PC市場2015年第4四半期の分析と2016年~2020年の予測」にまとめられている。