オープンデータを公開する立場の国や自治体・企業は、データポータルサイトと呼ばれる、公開のためのWebサイトを設置している。データポータルサイトを設置することにより、公開するためのデータを登録さえすれば、データの内容をWebサイト上のプレビューや、データをAPIとして取得することができるようになる。
プレビューは、一般の方に閲覧しやすくするための機能で、APIは他のWebサイトやスマートフォン用のアプリからデータを取得しやすくするという、開発者向けの仕組みであり、行政の透明化およびオープンデータの活用促進等において重要な役割を果たすツールになるという。
DKANは、エンタープライズ向けCMSのDrupalをベースに作られたデータポータルサイト。Drupalは、世界中に開発者コミュニティが存在し、セキュリティチームも存在しているため、ホワイトハウスやオーストラリア政府全体で採用されるなど、信頼性の非常に高いCMSとして採用が進んでいるという。
Drupalには、2万以上の機能拡張用モジュールが存在するため、データカタログサイトへの機能追加にも柔軟に対応することができるという。また、ユーザーの権限も自由に付加することができるため、組織におけるデータの管理体制に合わせたシステムにすることができるという。例えばA課とB課、各課内のみでデータ閲覧を可能にしたり、承認フローを作ったり、といったことも柔軟に設定することができるとしている。
ANNAIでは、これまでのエンタープライズでの開発ノウハウを活かし、地域課題の解決を目的に、地方自治体を中心とする公共データを活用したコンテスト「アーバンデータチャレンジ」のデータポータルサイトを構築した。
ファイルの内部まで検索を可能とする検索エンジンSolr(ソーラー)の機能構築、ユーザーの検索性向上を目的とした検索候補(サジェスチョン)機能構築、サイト全体の柔軟なデザインなど、Drupalならではの機能追加も行ったという。
「アーバンデータチャレンジ」では、 データポータルサイトをデータ提供サイトとしてアイデアソンやハッカソンを実施してきた。活動を通じてコンテストへ応募された作品は、2月26日(金)~27日(土)にかけて開催される最終審査会・報告会で審査され、 優秀作品の表彰などが行われることになっているという。
ANNAIでは、引き続き「アーバンデータチャレンジサイト」のサポートを行うとともに、構築のノウハウを活かし、国・自治体やエンタープライズ企業の支援を積極的に行っていくとしている。