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メディア芸術祭に塩分摂取過多と戦う電気味覚フォーク「ELECTRO FORK」が登場

2017/03/27 12:30

 3月16日、第20回 文化庁メディア芸術祭の受賞作品が発表された。今回は大ヒット映画が2本も大賞を受賞した。ここでは受賞作品発表会にて実際の作品が披露された受賞作品2点を中心に紹介する。

 メディア芸術とは現代美術の動向の1つで、当初はテレビやコンピュータなどの媒体を駆使するもの、あるいは媒体で制作される商業美術も含まれるとされる。年々コンピュータやインターネットが進化し、メディア芸術にあたるものは幅広く発展している。

 メディア芸術祭というと人気作品が表彰されるアニメーション部門やマンガ部門に目が向かれがちではある。しかしアート部門やエンターテインメント部門では、業務ではなくアートの表現として、新しい電子機器や技術を用いて作り出された作品が表彰されることが多い。新しい技術を新しい視点で目にすることができて面白い。

 まずは文化庁メディア芸術祭の大賞を紹介しておこう。アート部門大賞はドイツのラルフ・ベッカー氏の「Interface I」で、環境放射線で動くインスタレーションとなる。ガイガー=ミュラー計数管で感知したランダムな波形をもとに、モーターを駆動させて赤い糸が動く。作者は「ノイズを邪魔なものとして捉えるのではなく、変化と新しい視点を可能とする媒体として理解するもの」と話している。

 エンターテインメント部門大賞は庵野秀明氏(脚本・総監督)と樋口真嗣氏(監督・特技監督)の「シン・ゴジラ」、アニメーション部門大賞は新海誠氏(監督)の「君の名は。」。マンガ部門大賞はジャズプレイヤーを目指す青年を描いた石塚真一氏の「BLUE GIANT」。現時点ではマンガは音を伝えられない媒体であるにもかかわらず、「BLUE GIANT」は迫力ある筆致により紙面から音が鳴っているように感じられる作品であることなどが評価された。

 本稿ではアート部門優秀賞「Alter」とエンターテインメント部門優秀賞「NO SALT RESTAURANT」を採りあげる。先述したようにどちらも(コンパクトなためか)受賞作品発表会場で披露されたもの。普段から技術に慣れ親しんだ読者に興味が持てそうな作品たちでもある。

人間らしさの表現を模索したアンドロイド「オルタ」

 「Alter」は「Alter制作チーム」(代表:石黒浩氏/池上高志氏)のアンドロイド。大阪大学石黒研究室と東京大学池上研究室が共同制作し、2016年7月には日本科学未来館にて「機械人間オルタ」(以下、オルタ)として展示された。

 Alter
Alter

 一般的にロボットやアンドロイドやそのためのソフトウェアは何らかの機能を遂行するために開発される。工場で何らかの作業をする、人間と会話する(通訳も含め)、ゲームに勝つなど。しかしこのオルタは人工生命を模索した作品だ。工業的に開発されるロボットのように効率化や自動化を目的とせず、それ自身が自律化し、人間らしさや生命らしさを表現することを目指した。

 オルタは距離や光のセンサーからの外部刺激を受け、脊髄で歩行などの運動を生成する仕組みや、人間の脳にある神経回路の仕組みをもとに、自律的に動くようにできている。物理的には空気圧アクチュエーターで動かしている。

 実際オルタの前に立つと、周囲にいる人間の存在や動きを感知しているのか、目をきょろきょろさせる。目が合ったかと思うと、そらされる(ように思えてしまう)。手の動きは何かを語っているようであり、指の小刻みな動きは緊張しているかのようである。言葉にはなっていないが音を発し、その声は透明でどこか神々しい。

 展示会場では多くの人がオルタの動きを見続けてしまうそうだ。それほど人間に多くのものを問いかける存在なのかもしれない。例えば「生命とは何ですか」、「生きるとはどういうことですか」など、無言で人間の無意識に問いかけているようでもある。その表現力や発信力は芸術の域に達しているという評価なのだろう。

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  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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