ビジネスパーソンに必須な「計数感覚」、特にその能力が必須の職種とは?
経営について考えるとき、数字を使って考える能力が求められています。私は、この能力を「計数感覚」(図1)と呼んで、多くのビジネスパーソンに計数感覚を磨く必要性とその方法を訴えてきました。
ビジネススクールで長年、会社数字に関連する講師をしてきましたが、参加者に変化があります。以前は、ビジネスパーソンとして必要なスキルを学ぶ一環で、会計を学ぼうとする人が多く、営業部門、製造部門、経理部門、人事部門など、さまざまな部門の方が来ていました。
リーマンショック以降では、参加者の職種も一変し、経営企画部門の方が多く参加されるようになりました。特に、最近配属になり会計に関する勉強経験が少ない方が多く、経営企画に関連する能力として会計の勉強をする必要に迫られていました。
起業を目指す人はもちろんですが、企業では新規事業開発に営業や製造部門の優秀な社員を振り向けて、スピード感のある新規事業開発を行なおうとしている様子が見えてきます。
「計数感覚」という能力は、新規事業開発者にとって不可欠な能力ですが、「会社数字」が苦手な人が多いようです。会社数字に強い人は、経理や財務部で活躍していますが、経営戦略やマーケティングに弱い傾向があります。本連載では、起業家や新規事業開発担当者に焦点を当て、必要な知識やノウハウを整理します。全体を示しながら、基本から応用まで、重要性を勘案して順に紹介していく予定です。