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70倍の性能向上! 新しくなったMySQL Clusterの実力を見せてもらおうか

MySQLが新たに大きく拡張したとのニュースが。それがMySQL Cluster 7.2の提供開始だ。クラスターシステムにより、99.999%の可用性を確保。以前もそれなりの可用性は提供していたが、可用性を確保した際のパフォーマンスには課題があった。今回の7.2では、AQL(Adaptive Query Localization)という機能により、複雑なクエリ性能が最大で70倍に向上しているとのこと。

MySQLの進化は続く

 OracleがSun Microsystemsを買収することが決まったときの、ちまたの心配事の1つがMySQLの行方だった。Oracle Databaseという主力製品がある以上、MySQLはやがて闇に葬られるのではとの懸念。この疑惑を強く否定し、今後もMySQLの進化を続けると宣言したのは、Oracle CEOのラリー・エリソン氏だった。

 どうやらその言葉に嘘はなかったようで、買収後もMySQLは順調にバージョンアップを重ねている。むしろそのペースは以前より速いくらい。DB Onlineで連載も行っている日本オラクルの梶山氏は、「Sunの時代よりも品質が向上し、スケジュール通りに製品が出るようになった」と言っていたっけ。このあたりは、エンタープライズ向け商用ソフトウェアを長きにわたり提供してきたOracleならではなのだろう。というか、Oracleとしては当たり前なのかもしれない。

 前置きが長くなったが、そんなMySQLが新たに大きく拡張したとのニュースが。それがMySQL Cluster 7.2の提供開始だ。クラスターシステムにより、99.999%の可用性を確保。以前もそれなりの可用性は提供していたが、可用性を確保した際のパフォーマンスには課題があった。今回の7.2では、AQL(Adaptive Query Localization)という機能により、複雑なクエリ性能が最大で70倍に向上しているとのこと。

 そして、もう1つの特長がMemcached APIが使えるようになったこと。Memcachedは高性能な分散メモリキャッシュサーバーで、メモリ上に問い合わせ結果をキャッシュしてデータベース負荷を軽減する仕組み。流行のNoSQLの1つであり、mixiなどさまざまなサービスで利用されている。今回は、そのサーバー機能ではなくMemcached APIを搭載した。リレーショナルなMySQL Clusterに対し、NoSQLデータベース、つまりはKey-Valueストアのようにアクセスできることに。これにより、SQLとNoSQLのいいとこどりができるとのことだ。

 どんどんエンタープライズ用途の機能が強化されつつあるMySQL。Oracle Databaseとの棲み分けは、いったいどうするのか。1つキーワードとなりそうなのが、「Webデータベース」。Oracleによると、MySQLを主力のWebデータベースとして強化を続けるとのこと。いまやほとんどのシステムがWebベースなので、Webデータベースというのはちょっと曖昧な表現にも思えるが、いわゆる企業の基幹系システムのデータベースはOracle Databaseで、それ以外はMySQLでもいいよといったくらいの感じだろうか。

 MySQL Cluster 7.2は、すでに http://www-jp.mysql.com/downloads/cluster/ からダウンロード可能。興味のある人は、入手し向上した性能というやつを試してみてはいかがだろうか。

この不景気に過去最高の業績をたたき出すTeradata

 Teradataと言えば、大規模データウェアハウスの代名詞のようなもの。同社が、2011年第4四半期および2011年度通年の業績を発表した。これがどうやら、かなり好調な模様。第4四半期の売上高は23%増、2011年度通期の売上高も22%増とのこと。第4四半期、通期ともに過去最高の業績であり、過去最多の新規導入企業があったとのこと。不景気もなんのその。いや、不景気だからこそデータを分析し企業が競争力を得ようとした結果なのかもしれない。

 さらに、昨今の「ビッグデータ」ばやりも、同社にとっては追い風なのかも。ビッグデータをなんらか活用したければ、ビッグデータだけあればそれでいいわけではない。自社のビジネス指標となるようなデータ分析環境があり、その上で新たな情報となるビッグデータの分析環境を用意する。そして、それら2つから新たなビジネス上の判断を下すことになるはず。であれば、まずはデーウェアハウスなりのデータ分析の環境が必要であり、ビッグデータ活用に一足飛びにたどり着けるわけではない。

 以前、テラデータのCEOであるマイケル・コーラー氏が「テラデータは構造化されたデータについてはこれまでもずっとビッグデータを扱ってきた経験がある」と自信に満ちた発言をしていたことを思い出す。ビッグデータ時代のプレイヤーとしてHadoopなどを扱っているベンダーに注目するだけでなく、Teradataのように大規模データウェアハウスで実績ある企業も重要なポジションを担うことになるはずだ。ちなみに、「ビッグデータ時代のデータ活用戦略を考える」というコンセプトでTeradata Universe Tokyo 2012というイベントが3月9日開催される。データウェアハウスとビッグデータの関係に関心を持っているならば、参加してみては。

コストを削減するために追加投資してみる

 アシストがOracle Databaseのサポートサービスにさらに付加価値を付けたサービスを提供開始するとのこと。これ、「アシストあんしんサポートサービス」というもので、第一弾がOracle Databaseということなので、このあとPostgreSQLやMySQLなど同社が扱っているデータベース製品へと拡張されるのだろう。

 今回のサポートサービスは、アカウント、アドバンス、プロアクティブ、プレミアムの4種類があり、アカウントは担当エンジニアが付き、アドバンスではそれに緊急支援策として顧客先での「障害情報収集」、「データ復旧サービス」がセットされる。プロアクティブは将来発生しそうな問題発生を予防し、プレミアムはプロアクティブに加えて、システム変更などの際に担当者が現地待機するなどの手厚いサポートをするとのことだ。

 システムの安定性を高め安心したい、あるいは情報システム部門が忙しすぎて困っているような企業では、いっそこういったサービスを受けるという選択肢もあるのでは。結果的に情報システム部門の負荷が下がり、サービスへの追加投資がITコスト的にも見合う可能性もあるのかも。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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