ちなみにワタクシのスマホの画面はいつもひつじのしつじがとことこ歩きまわっております。終わらない原稿書きに疲れきったとき、ひつじに「歌って」とお願いすると「ひつじのしつじ♪ めーめーめーめ♪ らららーらららーもーふもふ♪」と一度聞いたら頭から離れない歌詞とメロディで高らかに歌い上げてくれ、心癒されることこの上なしです。もっとも本コラムの担当編集からは「ひつじをオンにしている人を五味さん以外に見たことない」と心ない言葉を投げつけられたりもしますが、きっと全国1000万人のひつじインストーラがいるはずだと信じ、気にしないことにしています。くすん(実はワタクシも周囲でひつじラバーを見たことがない…)。
えー、そんなくだらない話はさておき、昨年に引き続き今回もAWS re:Inventに参加する機会を得たわけですが、なんと幸運にもひつじのセッション - NTTドコモ 執行役員 研究開発推進部長 工学博士 栄藤稔さんによる、ひつじのしつじがAWSクラウドを根城にしていかに活動の幅を拡げたかというお話を聞くことができたので、その内容をご紹介したいと思います。
ひつじのしつじはSiriじゃない! 完全にドコモオリジナルだから!!
冒頭でも触れたように、ドコモでは現在、数千のAmazon EC2インスタンスが稼働しており、数多くのドコモアプリのベースとなっています。ドコモクラウドの基盤は現在はオンプレミスのデータセンターとAWSのようなパブリッククラウドの併用ですが、徐々にパブリッククラウドの比率を高めているとのこと。そして「しゃべってコンシェル」は現在、AWSの東京リージョン上で稼働しています。
「しゃべってコンシェル」がローンチしたのは2012年3月です。当初はドコモのAndroid端末に限ったサービスでしたが、ドコモがiPhoneのキャリアになったこともあり、iOSアプリでも提供されています。「ひつじのしつじにiPhoneのおすすめキャリアを聞くと我々のコンペティター(たぶんauのこと)を推奨した」と栄藤さんも苦笑しながら小ネタを紹介していましたが、「しゃべってコンシェル」が無料配信されるようになったこの11月からひつじが本音トークを始めたのはやはり本当なのでしょうか…。
今回のセッションはグローバルセッション(当然、英語でプレゼン)なので、日本人以外にもたくさんの参加者が聞いています。ひつじのしつじが何なのかよくわかっていない参加者に、栄藤さんは「Siriに似ているボイスコマンドパーソナルエージェントサービス。ただし、完全にドコモのオリジナル、スクラッチで開発したアプリ」という点を強調していました。Siriに似ていると言われるのは仕方ないけど、やはり真似したとは思われたくないですからね。
実際、「しゃべってコンシェル」はSiriに比べて高機能という評価も少なくありません。栄藤さんによれば、現在37のサーチタイプ、22のアプリ、20の機能をカバーするそうで、たとえば「お水を買いたい」と言えばドコモのdマーケットに接続し、ミネラルウォーターの商品案内が表示されます(さすがにAmazonではないらしい)。ほかにもひつじのしつじとのおしゃべりを楽しむチャット機能や、レストラン検索、電車の経路案内、天気、アラーム設定、ユニークなところでは「◯◯に電話」と言うと電話帳から相手を探し出し、電話をかけてくれたりする連携機能もあります。メールのお知らせ機能もありますが、これキャリアメールだけみたいなのが難点。いちユーザとしてはspモードメールなんかよりも、Gmailの重要メールが届いたときにお知らせしてほしい…。
「おすすめの映画、野球の結果、富士山の高さ、東京オリンピックの開催日、etc. なんでも聞いて試してみてほしい」と栄藤さん。ときには「わかりませんでした」と頭を抱え込むひつじも学習中&成長中ということで、ひつじラバーとしては生暖かく見守りたいものです。