SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

始めよう!EDB Postgres

EDB Postgresへの移行で押さえておきたい3つのポイント

 新規システムに加え、既存商用データベースの置き換え先としても採用が増えているEDB Postgres。本記事ではEDB Postgres標準の移行ツール「EDB Migration Toolkit」でEDB Postgresへ移行した結果を中心に、移行で押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。また、来る2017年5月18日(木)にEnterpriseDB社主催の国内最大イベント「EnterpriseDB Summit 2017」が開催されます。弊社セッションでは「なぜ、あの企業はEDB Postgresを採用したのか!?~ 成功事例と失敗事例から学ぶ採用ポイント ~」と題し、事例と移行検証の結果を交えてEDB Postgresが効果を発揮するポイントに迫ります。ぜひご参加ください。※イベント詳細は本記事の後半をご参照ください。

データベースの移行コストと工数に影響する作業

 データベース移行で事前に検討すべき項目は、データベースに格納されているオブジェクト定義やストアドプログラム、データはもちろんですが、図1にあるように可用性を確保するためのシステム構成、バックアップや監視といったシステム運用に加えて、周辺システムとのデータ連携やアプリケーションから実行されるSQLなど多岐に渡ります。これらのうち「異なるデータベース間の移行でコストと工数に大きく影響するものは?」と聞かれて真っ先に思い浮かぶ作業は、ストアドプログラムやSQLの改修ではないでしょうか。

図1:データベース移行時の検討範囲
図1:データベース移行時の検討範囲

 弊社も参画するPostgreSQL エンタープライズ・コンソーシアム(以下、PGECons)が公開する「Oracle DatabaseからPostgreSQLへの移行」の技術情報(※1)から、まずはSQLの改修にかかる工数を見ていきましょう。PGEConsで実施した移行テストではOracle Databaseのストアドプログラムを利用していないアプリケーションを対象としており、アプリケーションの置き換え作業は「接続方式の修正」「SQLの改修」「テスト」の3つのステップで行われています。図2は各ステップで要した時間の割合を表しており、テスト工程が全体の91%を占め、SQLの改修に要した時間はわずか6%にとどまる結果となりました。

図2:SQL改修にかかる時間の割合
図2:SQL改修にかかる時間の割合

 (※1)詳細は、PGEConsドキュメント「アプリケーション移行実践編」をご参照ください。

 また、同種のデータベースにおけるバージョンアップ作業もデータベース移行に該当します。これはバージョンアップによって構文の解釈などの仕様変更が生じるため、同種のデータベースとはいえSQLの改修が必要になるからです。Oracle Database 9iから11gR2へのバージョンアップ時にSQLの改修工数が全体の3.5%を占めたケースがあり、異なるデータベース間の移行においても全体のわずか数パーセントの割合に留まっていることを考えると、移行への影響は一般的に考えられているほど大きくはないと言えます。

 一方、ストアドプログラムの改修は移行のコストと工数に大きく影響する作業と言えます。実際に移行プロジェクトを進める中で、事前に把握していなかった非互換によって改修が必要なものが後から判明し、移行作業が難航したり、移行そのものを断念せざるを得ないケースがあります。異なるデータベース間の移行でこのような事態を回避するには、既存のシステムで利用するストアドプログラムのうち改修が必要なものがどの程度あるのか、またそれぞれの改修ボリュームや対処策から改修難易度を評価し、移行プロジェクトを進められるかどうかを判断する必要があります。ストアドプログラムの詳細を把握するには、スクリプトを使って手作業でデータベースから情報を収集して精査することもできますが、EDB Postgresでは同梱のデータベース移行ツール「EDB Migration Toolkit」(以下、MTK)を活用することで、ストアドプログラムの移行性を簡単に確認することができます。

次のページ
EDB Postgres標準移行ツール「EDB Migration ToolKit」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
始めよう!EDB Postgres連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高瀬 洋子(タカセ ヨウコ)

 株式会社アシスト データベース技術本部 アシスト入社後、Oracle Databaseのサポート業務を経て、2009年よりPostgreSQL、EDB Postgresのサービス立ち上げに参画。2017年4月にイギリスから日本へ拠点を戻し、海外イベントで得た情報などを活かしてEDB Postgre...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/9220 2017/05/01 06:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング