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SalesforceのCRMはRIZAPのように「結果にコミット」できるか

 昨年からSalesforce.comがかなり力を入れているのが「Trailhead」という取り組みだ。これはSalesforceのスキル獲得をするための学習プログラムで、さまざまなコースを履修しスキルを習得すると、その証しにバッジがもらえる。バッジをたくさん獲得しどんどんSalesforceのスキルを身につける人を「Trailblazers」と呼び、彼らはSalesforceと共に未来を切り開く「先駆者」と位置づけている。

Salesforce TrailheadはSalesforceエコノミーに参入するための入り口

 7月4日に都内で開催された「Salesforce Trailhead Live Tokyo」は、このTrailheadの取り組みの一環として開催されたカンファレンスイベントだ。基調講演では久しぶりに日本のステージに登場したSalesforce.comのCEO マーク・ベニオフ氏が、いつものように勢いのあるプレゼンテーションを行った。

Salesforce.com CEO マーク・ベニオフ氏
Salesforce.com CEO マーク・ベニオフ氏

 Salesforceの業績は、右肩上がりで順調に成長している。今年度は103億ドル以上の売り上げを予定しており、100億ドルを達成しているのはソフトウェア業界では3社のみだとベニオフ氏。成長を続けるSalesforceにとって、日本は重要な国だとも言う。そして、SFAのプラットフォームの提供では世界シェアNo1、さらにサービスプラットフォームでもNo1のシェアだと自信を見せる。

 「マーケティングプラットフォームでもAdobeよりも大きな企業になっている。当然ながらCRMでもMicrosoftやOracleを抑えNo1のシェアを獲得している。これはみなさんのパワーがあってのことです。みなさんは顧客でありパートナーでもあり、そして社員も含まれ、全てがオハナ(ハワイの言葉で家族)です」(ベニオフ氏)。

 ベニオフ氏によれば、Salesforceが成功できたのは、クラウド中心でビジネスを行っているからだ。これは、いち早く顧客の世界が今後はクラウドで形成されていくと考えた結果でもある。そして、「重要なのは顧客からの信頼」であるという。

 重要視している日本の市場への投資も継続的に行っていく。既に日本法人の従業員数は、1,119人にまで増えてなお拡大している。さらに日本国内にはNECとNTTコミュニケーションズにより運用される2つのデータセンターも稼働している。日本の多くの企業が、顧客とこれまで以上につながる仕組みをSalesforceを使って作っているとのこと。またチームスピリットやアップワードなど、日本のベンチャー企業にも積極的に投資している。そして企業やエンジニアが、成功を続けている「Salesforceエコノミー」に参加するための入り口となるのが「Salesforce Trailhead」だと指摘した。

 マーケティング本部マネージャーの秋津望歩氏は、2017年3月に提携を発表したIBMのWatsonとEinsteinの連携のデモンストレーションを行った。突然の天候悪化で雹が降ると、クルマなどに傷が付きき保険会社は保険金を払わなければならなくなる。この雹が降ることを、気象データを持っているIBM Watsonを使えば高い確率で予測可能だ。事前に予測ができれば、雹が降るであろう地域の保険契約者に被害が出る前に注意喚起できる。注意が契約者に届けば、クルマを屋根付きガレージに入れるなどの対策で保険金支払いを減らせる。

 雹の降る確率を高い精度で予測するのがIBM Watsonならば、予測をもとに顧客とのエンゲージメントを実施するのに活躍するのがSalesforceのAI「Einstein」だ。Salesforce Marketing Cloud Einsteinを使い、雹が降る予測結果を基に顧客の新たなジャーニーを作る。これを使い、顧客の状況に合わせ最適な方法、最適なコンテンツでアラートを届けることができる。このタイミングではどのチャネルで連絡すべきかを、顧客ごとにEinsteinが最適なチャネルを選んでくれるのだ。

 Einsteinが過去における顧客とのやり取りなどから、自動で連絡方法を選び顧客それぞれに合わせたパーソナライズ化されたメッセージを届ける。IBMと提携したことで「WatsonからのインサイトをSalesforceに直接組み込んで使えます」と秋津氏。さらにSalesforceの最新版となるSummer '17では、30種類以上のEinsteinの機能が追加され、Salesforceのサービス自体のAI活用もさらに加速していることが伝えられた。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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