
IBMは2017年6月22日から、リレーショナル・データベースを中心としたIBMのデータマネジメント製品群を「Db2」というファミリー名にリブランディングした。Db2は新しいブランディング名称でもあり、同時に旧製品は頭に「Db2」を付けた新しい製品名となる。今回のリブランドには、一体どういう意味が込められているのだろうか。
「Db2」リブランドは、データベースに投資を続ける意思の表明
リブランドを受けて、オープン系OSであるLinux、UNIX、Windows版のDB2は、今後は「Db2」と表記される。iシリーズ向けは「Db2 for i」、z/OS向けは「Db2 for z/OS」になる。
従来「DB2 on Cloud」と呼ばれていたホスティングサービスは「Db2 Hosted」に、フルマネージドサービスの「dashDB for Transaction」は「Db2 on Cloud」になる。分析、データウェアハウス向けの「dashDB Local」は「Db2 Warehouse」に、フルマネージドサービスの「dashDB for Analytics」は「Db2 Warehouse on Cloud」へ変更となった。名称の法則性としては、フルマネージドサービスには「on Cloud」が、分析に特化したデータベースには「Warehouse」が付くことになる。
このタイミングでリブランドを行ったことは、IBMがデータベースの領域に投資を続ける意思の表れだ。実際IBMでは、6月22日にFix Pack 2というDb2の拡張機能をリリースしている。日本アイ・ビー・エム株式会社 クラウド・ソフトウェア&アナリティクス事業部 第一テクニカル・セールス ITアーキテクトの苧阪浩輔氏は、この拡張では市場の声を大事にした結果が含まれていると説明する。

日本アイ・ビー・エム株式会社 クラウド・ソフトウェア&アナリティクス事業部
第一テクニカル・セールス ITアーキテクト 苧阪 浩輔氏
「Db2のサイトもリニューアルし、きちんと顧客の声を拾えるよう工夫をしました。実際にFix Pack 2には、日本国内の自動車メーカーの改善要望から実現した機能が含まれています」(苧阪氏)
クラウド・ソフトウェア&アナリティクス事業部 第一テクニカルセールス ITアーキテクトの野間 愛一郎氏は「製品の名前を変えるようなリブランディングには、この先一生出会えないと思っていました。今回のリブランディングは、IBMの社内でもかなり盛り上がっています。人材も、Db2の開発拠点の中心であるトロントに続々と集まっている状況です」と述べる。

クラウド・ソフトウェア&アナリティクス事業部
第一テクニカルセールス ITアーキテクト 野間 愛一郎氏
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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