ネットワンシステムズは、パブリッククラウドサービスを活用した愛知県教育委員会の次世代ICT教育基盤を構築し、教職員の働き方改革・教育DX推進と情報セキュリティの両立を実現したと発表した。なお、構築した環境は1月から稼働しているとのことだ。
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クラウド型仮想デスクトップで教職員の業務を効率化
愛知県立学校の教職員約1万5,000人が使うICT環境は、境界分離型セキュリティにのっとり、成績管理などの個人情報を扱う「校務系」と、インターネットに接続する「校務外部接続系」の大きく2つのネットワークで構成されているという。2台の端末を使い分ける非効率さが業務負荷となっていたため、クラウド型仮想デスクトップサービスを採用することで端末を1台に集約し、業務効率化と負荷軽減を実現したとのことだ。
ゼロトラストでロケーションフリーな働き方を実現
これまでの教職員の端末を用いた業務は学校内に限定されており、課外授業や出張先など学校外では実施できない環境となっていたという。今回のシステム更新にあたり、場所にとらわれないセキュアな働き方をするため、ゼロトラストの要素を取り入れたとしている。
校務系業務は学校内のみに限定しつつ、それ以外のインターネット利用やメール送受信、グループウェアなどの業務は場所の制限から開放し、どこからでも一貫したセキュリティを担保できるよう、アクセス制御型の業務環境を構築。クラウドプロキシによるコンテンツフィルタリングや端末管理、EDRなどのクラウドサービス型のセキュリティ対策を施し、インターネット上の脅威や紛失時などの情報流出防止の対策を行ったという。これにより、ロケーションフリーな働き方とセキュリティ担保を実現したとのことだ。
ファイル暗号化とアクセス制御で情報の安全性を確保
教育現場ではクラウドサービスの利用が進んだことにより、校務外部接続系で、ドリル学習や採点システムなど、成績情報に該当するデータを扱うようになっているという。これにより、チャットやメール、ファイル共有システムなど、インターネットを通じてファイル共有をする際に、生徒や外部関係者に機微情報を誤って共有してしまうリスクがあるとしている。
そこで、ファイル暗号化とアクセス制御のソリューションを活用し、教員端末で作成されたファイルには自動でラベルを付与することで、誤って外部へファイルを共有してしまった場合でも、愛知県教育委員会のテナントに所属する教職員アカウントでないと閲覧できないよう制御。この仕組みにより、校務外部接続系でも重要度の高い情報を安全に扱えるようになったとしている。
運用保守ポータル「Growcx」で運用負荷を低減
システムやネットワークに関する各学校から教育委員会への申請や問い合わせは、学校ICT担当者からのフリーフォーマットでのメールが中心であることから、問い合わせの手間や、やりとりが煩雑で対応完了までに時間を要する状況だったという。
そこで、同社の運用保守ポータル「Growcx」にて、頻度の高い問い合わせや申請をメニュー化・フォーム化することで記載漏れなどによる対応遅延を防ぎ、回答速度の向上を図るとしている。また、過去の問い合わせ情報・ICTツールなどの利用マニュアル・教育委員会からの通知文・FAQなどをポータルサイトに集約することで、「ナレッジセンター」として機能させているという。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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