キリンビールとキリングループロジスティクス、NTTデータは2025年7月、共同で新たなピッキングシステムを国内全9工場へ導入したと発表した。同システムは対象商品のパレットへの最適な積み付けや人員割り当てを自動で行い、物流プロセスの業務効率化と環境負荷軽減を目的としている。
新ピッキングシステムでは、倉庫管理システム(WMS)と連携し、最適な商品組み合わせによる積み付け指示や、作業員の熟練度・作業難易度に応じた自動人員割当機能を搭載。これにより、人手とロボットそれぞれに効率的な作業指示が行える環境を実現する。

この取り組みにより、年間約9万枚のパレット使用枚数削減が可能となり、トラックへ積み込む際の荷合わせ作業やパレット枚数が削減。結果としてトラックドライバーの荷待ち待機時間が短縮され、2025年7月~9月の3ヵ月間には約1万時間の待機時間削減を達成したという。あわせて、パレット枚数の削減により配送車両数も抑制でき、配送時やパレット生産時の燃料消費・CO2排出も削減される。2026年にはパレットの購入枚数が約3万枚減少する見込みだ。

今後、キリンビールとキリングループロジスティクスは、同システムを含むWMSと車両運行や構内作業の連携を推進し、リアルタイムで状況を把握しながら業務全体の一層の効率化を追求する。NTTデータは、生成AIやデジタルツイン技術、フィジカルAIの現場活用を進め、サプライチェーン全体の高度化に取り組む方針だ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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