凸版印刷とTISは、ローカル5Gでの相互接続を目指し、技術連携を開始したことを発表した。
局所的な無線ネットワークとしては、現在Wi-Fiが広く利用されているが、カバーできる範囲の狭さ、電波干渉による大容量データ通信の遅延やセキュリティ性などが課題になっている。また、生産現場の自動制御、建設現場での建設機械の遠隔制御、大規模農場の自動管理や自治体が管理する河川の遠隔監視などの実現には、災害発生や大規模イベント開催などの影響による通信トラブルのない独立したネットワークが求められているという。
両社はこれらの課題に対し、相互の技術検証を目的としたローカル5Gの検証拠点を整備し相互接続することで、超高速・大容量・低遅延・多接続といった5Gの強みを活かした実証実験を実施し、企業・自治体における5G/ローカル5Gの様々な利用環境での有効性を検証していくとしている。
また、高解像度映像の相互リアルタイム配信、360度映像などのリアルタイム転送による新しいVR体験や機器の遠隔操作などの新たなビジネス展開も検討。さらにスマートシティの実現に向けた、「IoA仮想テレポーテーション」技術を用いた都市と地方間での遠隔購買体験などについても実証を進めていくという。
連携の具体的な内容
ローカル5G基地局の設置
5Gのメリットが発揮できるスタンドアロン方式のローカル5G基地局を両社の拠点に設置する。周波数帯としては昨年12月の総務省による制度整備によって新たに拡張されたSub6帯を扱う予定としている。
相互の技術検証
5Gコア設備やアンテナなどから構成されるローカル5G基地局を設置し、検証用端末などのローカル5G検証環境を整備し、ローカル5Gを活用したデータ通信に関する技術検証を相互で行う。さらに、様々な技術を利活用できる拠点を立ち上げることで、新たな社会課題の解決につながるサービス、ソリューションの創出につなげるという。
2社の役割
- 凸版印刷:バーチャルオンラインツアーや4K高精細映像のデジタルアーカイブなど様々なデジタルビジネスの知見を活かし、同社は相互接続を目指したローカル5G基地局を設置。データの送受信の技術検証を行う環境を整備し、ローカル5Gの実証実験を開始する
- TIS:本格的な社会実装が期待される5Gを活用した新サービスや新技術の実証・検証を行うことができる、ローカル5G基地局を設置したラボを豊洲オフィスに開設する予定だという。本ラボでは、ローカル5GやWiFi-6といったワイヤレス技術やAI・XR・IoTなどの最新技術を活用した新規事業・ビジネス、新技術の研究開発、検証を行っていく
今後は両社のローカル5G環境を接続し、拠点間でのローカル5Gの実証実験環境を2021年度中に構築予定だとしている。
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