米現地時間3月23日、Adobe(以下、アドビ)は、2021年度第1四半期(2021年3月5日を末日とする)の決算を発表した。
第1四半期の業績ハイライト
- 2021年度第1四半期の収益は過去最高となる39億1,000万ドル、前年同期比26%増となった。GAAPベース希薄化後1株当たり利益(EPS)は、2.61ドルで前年同期比33%増、Non-GAAPベース希薄化後1株当たり利益(EPS)は、3.14ドルで前年同期比38%増
- デジタルメディア分野の収益は28億6,000万ドル、前年同期比32%増。うちクリエイティブ分野の収益は23億8,000万ドルに拡大、前年同期比31%増。Document Cloudの収益は4億8,000万ドルで前年同期比37%増
- デジタルメディア分野の年間経常収益(Annualized Recurring Revenue - ARR)は当四半期末時点で106億9,000万ドルに拡大し、前四半期比4億3,500万ドルの増加。クリエイティブ分野およびDocument CloudのARRは、それぞれ91億2,000万ドル、15億7,000万ドルに拡大
- デジタル エクスペリエンス分野の収益は9億3,400万ドル、前年同期比24%増。デジタルエクスペリエンス分野のサブスクリプション収益は8億1,200万ドル、前年同期比27%増
- 第1四半期のGAAPベース営業利益は14億5,000万ドル、non-GAAPベース営業利益は18億3,000万ドル。GAAPベース純利益は12億6,000万ドル、non-GAAPベース純利益は15億2,000万ドル
- 営業キャッシュフローは17億7,000万ドル
- 残存履行義務(Remaining Performance Obligation - RPO)は116億1,000万ドル、前年同期比17%増
- 当四半期中に約190万株を買い戻した
2021年度第2四半期の財務目標
次の表はアドビの2021年度第2四半期の財務目標を要約したものだという。
2021会計年度第2四半期収益合計 | 約37億2,000万ドル |
デジタルメディア分野の収益 | 前年同期比約21%増 |
デジタルメディア分野の純ARR (年間経常収益) |
純ARRで約4億5,000万ドル
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デジタルエクスペリエンス分野の収益 | 前年同期比最大18%増 |
デジタルエクスペリエンス分野
のサブスクリプション収益
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前年同期比最大20% 増 |
税率 |
GAAP:最大19.5%
Non-GAAP:最大16%
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株式数 | 最大4億8,200万株 |
1株当たり利益(EPS) |
GAAP:最大$2.09
Non-GAAP:最大$2.81
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2021年度の財務目標を上方修正
第1四半期の好調な業績、および第2四半期の予想に織り込まれた事業の勢いを考慮し、2021年度の財務目標を上方修正するとしている。次の表はアドビの2021年度の財務目標を要約したものとなる。
2021会計年度収益合計
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最大154億5,000万ドル |
デジタルメディア分野の収益 | 前年比最大22%増 |
デジタルメディア分野の純ARR (年間経常収益) |
純ARRで最大18億ドル
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デジタルエクスペリエンス分野の収益 |
前年比最大20%増
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デジタルエクスペリエンス分野
のサブスクリプション収益
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前年比最大23%増 |
税率 |
GAAP:最大17.5%
Non-GAAP:最大16%
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株式数 | 最大4億8,100 万株 |
1株当たり利益(EPS) |
GAAP:最大$9.13
Non-GAAP:最大$11.85
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アドビの会長、社長兼CEO(最高経営責任者)であるシャンタヌ ナラヤン(Shantanu Narayen)氏は、「第1四半期は過去最高の業績を達成しただけでなく、すべての事業分野で大きなチャンスがあり、グローバル全体で堅調が予想されるため、年度財務目標を上方修正することにしました。当社のCreative Cloud、Document Cloud、Experience Cloudは、全世界の学生や個人、大企業にいたるまで、すべての顧客セグメントにとって極めて重要な存在となっています」と述べている。
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