中央復建コンサルタンツ、NTTドコモ、京浜急行電鉄(以下、京急電鉄)、横須賀市の4者は、鉄道インフラのリアルタイム遠隔・自動監視システムの実証試験を、京急電鉄の久里浜工場で昨年12月21日から開始していることを発表した。
鉄道車両や線路の4K映像を撮影し、5G網内のクラウド基盤において人工知能(AI)の深層学習(ディープラーニング)でリアルタイム解析した後、即座に遠隔監視室に配信。5Gを活用したリアルタイム4K映像配信において、高速AIディープラーニング解析を実現するのは国内初の技術だとしている。
本システムにより、リアルタイムで精度の高い遠隔・自動監視を実現し、鉄道インフラ維持管理の効率化や旅客・鉄道係員の安全性の向上をめざす。また、横須賀市が地方自治体の視点で、公共インフラの維持管理への活用可能性の検討に参加することにより、全国の「鉄道以外のインフラ」への技術の応用も検討している。なお本実証は、総務省事業である「地域課題解決型ローカル5Gなどの実現に向けた開発実証に係るインフラ分野におけるローカル5Gなどの技術的条件および利活用に関する調査検討の請負」を、4者がコンソーシアムを組んで実施しているという。
本実証では、通常時と災害時を想定し遠隔監視システムの実証を行うとしている。通常時の監視として、固定4Kカメラで車両台車を撮影し、ひび割れがないかを解析・監視。また、災害時の監視として、ドローン4Kカメラで線路を撮影し、倒木などの障害物がないかを解析・監視するという。解析・監視にあたり、撮影した4K映像を5Gの大容量通信を活用してクラウド上に伝送し、クラウド上のAIが映像を解析して、異常を検出。解析結果は、5Gによってリアルタイムに配信され、遠隔地の管理モニタに表示するとしている。
なお、解析時に活用する高速AIディープラーニングの解析エンジンは、MEC(Multi-access EdgeComputing)クラウド上に構築し、リアルタイムかつ高精度なAI解析と、高セキュリティな映像データの収集・解析・蓄積を実現しているという。このとき、映像の取得から解析後の配信までの時間は1.5秒以内をめざすとしている。これによりインフラ維持管理業務への実装可能性が飛躍的に高まるという。
各者の役割
- 中央復建コンサルタンツ:実証実験の全体を総括(コンソーシアム代表者)
- ドコモ:5G・MECクラウド環境構築、4K映像配信・AI解析システムの構築
- 京急電鉄:実証フィールド提供
- 横須賀市:地域における課題提供および地域横展開に向けた知見の提供
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