米現地時間4月12日、Microsoft CorpとNuance Communicationsは、マイクロソフトがNuanceを一株当たり56.00ドルで買収する最終合意に達したことを発表した。これは、4月9日時点のNuanceの株価終値に対する23パーセントのプレミアムであり、現金取引ではNuanceの純負債を加味し197億ドルに相当。買収は本年中に完了する予定だという。
Nuanceは、対話型AIとクラウドをベースとした、ヘルスケアプロバイダー向け医療インテリジェンスのパイオニアであり、大手プロバイダーでもある。同社 CEO マーク ベンジャミン(Mark Benjamin)氏は現在のポジションに留まり、マイクロソフトのCloud&AI担当エグゼクティブバイスプレジデント、スコット ガスリー(Scott Guthrie)氏の直属となる。
今回の買収は、2019年に発表された既存のパートナーシップの成功に基づくものだとしている。NuanceのソリューションによるMicrosoft Cloud for Healthcareの強化、そして、Nuanceの専門知識とEHRシステムプロバイダーとの関係の活用によって、マイクロソフトは、アンビエント医療インテリジェンスと他のマイクロソフトのクラウドサービスを組み合わせ、ヘルスケアプロバイダーを支援するという。
この買収により、ヘルスケアプロバイダー市場におけるマイクロソフトの獲得可能最大市場規模(TAM)は倍増し、約5,000 億ドルとなる。
マイクロソフト CEO のサティア ナデラ(Satya Nadella)氏は、「Nuance は、ヘルスケアの現場にAI機能を提供するというエンタープライズAIの現実的応用分野のパイオニアです。AIは最高優先順位のテクノロジであり、ヘルスケアは最重要の応用分野です。Microsoft Cloud for HealthcareとNuanceの組み合わせにより、パートナーのエコシステムをさらに拡充し、先進的AIソリューションをあらゆるプロフェッショナルに提供することで、意思決定や連携の向上を目指していきます」と述べている。
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