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KDDIとNEC、NICT、先進的仮想化ネットワーク基盤技術の研究開発を進める

 KDDIと日本電気(以下、NEC)は、情報通信研究機構(以下。NICT)と共同で、総務省の研究開発課題である「先進的仮想化ネットワークの基盤技術の研究開発」を実施。本研究開発の取り組み内容について、9月8日から9月10日の間に行われる「ネットワーク運用管理に関する国際会議」で発表するとともに、2022年3月の本研究開発完了を目指していることを発表した。

 本研究開発では、「障害事前予測技術」「超高速化ICTシステム設計技術」「基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術」の研究開発を実施し、CNF導入に向けての課題を解決を目的にしている。これにより、従来の仮想化ネットワーク以上に安定かつ迅速なデジタル・トランスフォーメーション(DX)サービスの提供と、CNF導入により複雑化する通信ネットワークの耐障害性の向上を目指すとしているという。

本研究開発の概要
本研究開発の概要
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CNF導入に向けての課題

  1. 原因特定や障害復旧が容易でない障害の発生、監視運用の複雑化する環境における通信事業者に求められる品質の維持
  2. 複数の小さなサービスを連携させるアーキテクチャによる設計対象数・種別の増加
  3. CNFとVNFが混在した2階層型のネットワーク環境における複雑なリソース調整

本研究開発の技術概要

障害事前予測技術(担当:KDDI)

 CNFで増加する運用対象において、AI自動化に必要となる指標を網羅的に観測可能とするため、未知の障害を能動的に探索することで、監視を超えた事前予測技術の確立を目指しているという。オートヒーリングなどの自動化技術により、発見が難しい障害予兆を観測可能とする技術の確立を目指すとしている。

超高速化ICTシステム設計技術(担当:NEC)

 マイクロサービス化による設計の複雑化に対して、要件の快適な調整や障害によるネットワークサービスに対する影響の回避を実現するため、豊富な要件/障害事例を整備すると共にこれに対応する設計導出を高速化。これにより、分単位でサービスを再構築可能な超高速化ICTシステム設計技術の確立を目指している。

基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術(担当:NICT)

 CNFとVNFが混在したネットワーク環境において、ネットワーク機能が動作するサーバー環境の利用状況を常時把握し、障害や輻輳が発生したサーバーの計算機リソース自動調停や、余剰があるサーバーへのネットワーク機能の自動移行を実行。これにより、データ転送基盤の再構成を高速に実行可能な基盤計算機リソースの動的かつ最適制御技術の確立を目指すという。

 今後3者は、5GおよびBeyond 5G時代に5Gの特長を最大限に活用できるネットワーク基盤の実現に向け、本研究開発に取り組むとしている。

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