IBMは、米現地時間10月20日、2021年度第3四半期の連結決算を発表した。
キャッシュ・フローおよび財務状況
同社は第3四半期に事業活動により27億ドルの純現金収入を上げているという。第3四半期のフリー・キャッシュ・フローは6億ドルとなっている。これには2020年第4四半期に実施した組織構造上の措置による6億ドルの現金面での影響と、Kyndrylの分社化にともなう手続き費用の影響が含まれている。これらの現金面での影響を除外したIBMの調整済フリー・キャッシュ・フローは12億ドル。株主に15億ドルを配当として還元したという。
また、過去12ヵ月間に事業活動により161億ドルの純現金収入を上げている。過去12ヵ月間における同社のフリー・キャッシュ・フローは92億ドル。組織構造上の措置と分社にともなう手続き費用による18億ドルの現金面での影響を除外したIBMの調整済フリー・キャッシュ・フローは111億ドルとなっている。
2021年第3四半期末のIBMの手元現金は、買収費用30億ドルと債務削減のための支払いによって2020年末から59億ドル減少した84億ドルで、これには有価証券が含まれるという。グローバル・ファイナンシング事業の債務159億ドルを含めた債務総額は545億ドルとなり、2020年末から70億ドル減り、Red Hat買収手続き完了からは185億ドル減っているという。
2021年の年度累計
2021年年初から9月30日までの9ヵ月間の収益は、2020年の同期の533億ドルから1.6%増(事業売却と為替変動の影響を調整した場合は1%減)の541億ドル。純利益は、Kyndryl分社化にともなう手続き費用の影響7億ドルを反映して前年同期比19%減の34億ドル。潜在株式調整後1株あたり利益は、2020年同期の4.72ドルから20%減の3.77ドルだとしている。
また、GAAPベースの1株あたり利益には、購入済無形資産の償却およびその他の買収関連費用、退職関連費用、米国税制改革の制定による影響、Kyndryl分社化にともなう手続き費用の影響である、1株あたりマイナス2.85ドルの影響が含まれるという。Kyndryl分社化の費用の影響は、1株あたりマイナス0.76ドル。
2021年年初から9月30日までの9ヵ月間の営業ベース(非GAAP)の純利益は、前年同期の59億ドルから1.3%増の60億ドル。継続事業による営業ベース(非GAAP)の潜在株式調整後1株あたり利益は、2020年同期の6.60ドルからほぼ変動がなく6.62ドルだという。
同会長兼最高経営責任者(CEO)のアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏は、「来月早々に予定しているKyndrylの分社により、IBMはハイブリッドクラウドおよびAIといったプラットフォーム中心の企業として、進化の次の段階に踏み出します。当社は、高成長の機会をもたらすソフトウェアおよびコンサルティング事業で進展を続けます。お客様によりよいサービスを提供するため、集中と俊敏性を向上することで当社は、1桁台半ばの収益成長と強力なフリー・キャッシュ・フロー創出という中期目標を達成できるものと確信しています」と述べている。
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