東芝デジタルソリューションズは、量子鍵配送(Quantum Key Distribution:以下、QKD)と耐量子計算機暗号(Post Quantum Cryptography:以下、PQC)を組み合わせた、大容量・低遅延光トランスポートネットワークの実装と動作検証に成功したことを発表した。
東芝デジタルソリューションズは、日本電信電話(以下、NTT)と共同で、量子計算機に対しても安全な「IOWNセキュア光トランスポートネットワーク」を支える技術として、東芝デジタルソリューションズが持つQKDとNTTが持つPQCの2種類の技術を組み合わせ、柔軟かつ拡張性に富む暗号鍵配送システムの検証を行ったという。複数の鍵共有方式を組み合わせて利用できるxKDという新たな構成を導入することで、QKDにより共有された量子鍵が、PQCにより高い安全性をもって光伝送装置に渡されるとしている。また本検証では、xKDのインターフェースに、ETSI GS QKD 014のAPIを適用しているという。
このような構成により、光トランスポートネットワークは、QKDとPQCをそれぞれ個別に実装する必要なく、安全に共有鍵を利用することができるとしている。さらに、このシステムが、8K非圧縮映像のリアルタイム暗号化伝送に適用できることも検証。これにより、大容量かつ低遅延が求められるような厳しいユースケースにおいてもセキュアな通信が可能であることを確認することができたという。
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