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ビッグデータ、アナリティクスの新製品・サービスが勢ぞろい―IBM Information On Demand 2013が開幕

2013/11/06 11:50

 2013年11月4日、米国ラスベガスにてIBMのデータベースやBI、BA、ビッグデータなどのソフトウェアに関連するカンファレンスイベント「Information On Demand 2013」が開幕した。オープニングキーノート&ゼネラルセッションの会場はMondalay Bay Events Center、スタジアム形式のすり鉢状の観客席にアリーナ席という、コンサート会場のようなステージだ。ラスベガスらしく、パーカッションを主体にした演奏からステージはスタートした。

ビッグデータ活用で重要な信頼性

LeBlanc氏
LeBlanc氏

 「ソーシャルネットワークからさまざまなデータが生まれています。とはいえ、これらビッグデータは、イネーブラー(何かを可能にするもの)に過ぎません。顧客のことを理解していないとそれは使えないのです。データを使って、これまでなかった形でインサイト(顧客の次なる行動の意思)を得ることができます。この顧客のインサイトを入れることで、新たなビジネスが行えるのです」(LeBlanc氏)

 IBM Software Group Middleware Software担当のSenior Vice President Robert LeBlanc氏は、世の中には、まだ活かされていないデータ、解放されていないデータがある。今見えているのは氷山の一角であり、その一角すら出ていない状態かもしれないと言う。

 そういったデータをいち早く手に入れて、解析し洞察を得られればビジネスを変えられる。このときに、企業の中の誰か1人だけがそれを活用するのではなく、全員に力を与える必要がある。何が共有できるかで価値が変わり、その価値を増やしていくことが必要。顧客や従業員に価値を増やすことが、企業がビジネスを行っていくことの本質だとも言う。

 そして、ビッグデータはボリュームに捕らわれやすいが、重要なのはまずは種類。非構造化データを取り込めなければ、ソーシャルメディアのインパクトは受け入れられない。さらにベロシティ(速さ)も重要であり、顧客は何事にもすぐに対処したい要求を持っている。

 「その上でさらに重要なのが、信頼性です。すべてのデータの質を考えないとなりません。それは、本当に正しいデータなのか。たくさんのデータを取り込むだけでなく、そのデータがどこから出てきてどうなっているかを理解する必要があります」(LeBlanc氏)

 このビッグデータに対する信頼性は、ここ最近IBMが特に力を入れて必要性を説いている。さまざまなタイプの大量データを単に高速処理できるだけでなく、ビッグデータであってもコンプライアンスやガバナンスといった企業がこれまで当たり前のように対処してきたことに適合できるようにする。このことは、まだまだ言及するベンダーが少ないのが現状だろう。

 LeBlanc氏は、いまこそこのビッグデータの活用に打って出なければならないと言う。「勝ち組になりたければ、いまアクションをとらなければなりません」と。すでにいま成功している企業の75%が、データを活用しているという事実があるからであり、さらに予算削減傾向にある中、無駄なものに投資している余裕はなく、確実に成功に導けるものに投資する、それがビッグデータなのだとも指摘する。

ビッグデータとアナリティクスのバランスをどうとるかが鍵となる

 成功事例の1つとして紹介されたのが、保険や金融サービスを行っているNationwide Mutual Insurance社。同社のCustomer Analytics部門のVice President Wes Hunt氏は、会員第一、クライアント第一という主義を徹底していると言う。顧客からは、「顧客はあなたしかいない」と見えるようにするとのこと。そのために、透過性の高い顧客体験の実現を、すべての顧客接点で行えるようにした。

 まずは情報管理基盤の整備から始めた。そして、フロントラインの従業員が顧客を知るために、100余りあったシステム、27のフロントエンドの仕組みも統合した。これには相当な投資をしており、IBMのSPSSなどさまざまな製品が活用されている。

 Hunt氏は、「ビッグデータがあってもアナリティクスをやらないとうまくいきません。逆にアナリティクスばかりやっても良い結果はでません」と言い、両方をどうバランスするかが重要になると指摘している。

 ここで、これまで同社が行ってきたこれらの投資に対し、見返りは十分に出ているのかとLeBlanc氏が質問した。「成果が十分にあるからこそ、この場にいられるのです。売り上げの拡大、顧客の維持、コストの引き下げといった面で効果は出ています」と答える。そして、IBMと一緒に仕事をした結果として、私というCustomer Analyticsの責任者を置くことになり、それに対応する組織もできた。さらに「顧客満足度というのが一番の評価指標です」とHunt氏は言う。

 最後に彼は、ビッグデータを活用して成功するための4つの秘訣を披露した。1つめが、強いデータ基盤を作ること。これは、変更に柔軟でなければならない。2つめは人の才能を活かすこと。問題解決には人の才能が必要であり、一度やり方を決めたらそれで良いということはなく、常に変化させていく必要がある。それには人の才能が必要だということだ。3つめは、ビッグデータは戦略ではなく戦略のイネーブラーだということを理解すること。そして4つめが信頼だ。「信頼がインサイトと行動の架け橋になります。先の3つがあっても、信頼がないとうまくいかないでしょう」と言うのだった。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにし...

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連載:DB Press

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