クラウドファーストという考え方が定着し、企業もITシステムのプラットフォームにまずはクラウドをと考えるようになった。そんな中でマイクロソフトは、これまでもエンタープライズ企業が安心して使えるクラウドであることをMicrosoft Azureで目指してきた。米国マイクロソフト クラウド・エンタープライズグループのゼネラルマネージャー マーク・サウザ氏はマイクロソフトは今、クラウドに最大の投資をしていると言う。
Azureでは2011年1年間のサーバー台数の増加より、今は1日のサーバー増加台数のほうが多い

サウザ氏は、エンタープライズ企業がクラウドを採用し成功するには、3つの重要な要素があると指摘。1つめがハイパースケールで次がエンタープライズ対応、3つめがハイブリッドだ。中でもエンタープライズ対応で重要となるのがセキュリティや可用性の高さ。さらに高いコンピューティング性能も、成功のために必要となる。
マイクロソフトでは、この3つの要素に継続的に投資を続けている。その結果もあり、クラウド市場でマイクロソフトはかなり勢いがあるとサウザ氏は自信を見せる。たとえばフォーチュン500の企業85%がマイクロソフトのクラウドを利用している。また、1ヶ月あたり12万の新規サブスクリプション契約があるのだ。そのようにマイクロソフトのクラウドサービスの利用が増えている中で、利用される仮想マシンの3台に1台はLinuxと言うのも興味深い点だろう。
クラウドビジネスが急激に伸びていることもあり、マイクロソフトが2011年1年間に追加したサーバー台数よりも、今は1日に追加するサーバー台数のほうが多いそうだ。これにはちょっと驚かされるが、それだけパブリッククラウドの利用が企業にとって当たり前の存在になっている証しでもあるだろう。
競合に対する優位性を発揮するためには、マイクロソフトでは世界36のリージョンにクラウドデータセンターを設置しており「顧客の近くでサービスを提供しています」ともサウザ氏は言う。データセンターの数は競合の2倍であり、さらに近日中に5つ増やす予定もあると。このあたりは、先行するAmazon Web Servicesを意識した発言だろう。
これまでマイクロソフトでは、2、3年ごとにソフトウェア製品の新バージョンをリリースしてきた。それ以上の時間がかかるものもあり、時には6年間も待つことになるものもあったとサウザ氏は振り返る。
「クラウドの時代になり毎週、何らか新しい機能を提供しています。Azureでは基本的に6ヶ月のサイクルで動いており、これは他社より速いペースです。次の6ヶ月でもわくわくするようなものを提供します」(サウザ氏)
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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