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IoT時代のビルセキュリティを守れ!―竹中工務店 後神洋介さんと―

2015/10/15 07:00

 人を守る、子供を守る、地域を守る、社会を守る、日本を守る、地球を守る――さまざまな舞台で活躍する「守る」エキスパートたちに、デロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所 所長の丸山満彦さんがお話を訊きます。第1回に登場いただくのは、IoT時代にビルを守る、竹中工務店 情報エンジニアリング本部長 後神洋介さんです。

意外と浅い?ビルとITの歴史

竹中工務店 情報エンジニアリング本部長 後神洋介さん
竹中工務店 情報エンジニアリング本部長 後神洋介さん

丸山 この対談では、「守る」をテーマに車の自動運転のセキュリティであるとか、あとはエネルギー、発電所のセキュリティやロボットといった話題を取り上げていこうと思っています。僕はセキュリティの人間ですが、少し違う話も混ぜながら進めていこうと思っています。後神さんとは、「ビルを守る」というところでざっくばらんに対談できたらと思っております。よろしくお願いいたします。

後神 よろしくお願いします。

丸山 私は、もともとは農学部で木材、パルプを研究していました。大学時代は、100階建ての木造ビルをつくりたいと思っていたんですよ。今日は話がそれてしまうので自粛しますが、せっかく竹中工務店さんにお話を訊けるんだから、本当はそっちの話をお聞きしたいところなのですが……(笑)。

後神 そうですか。いきなり横道にそれるんですけど、うちは「燃エンウッド」という、木造建築用の技術材を開発しまして……でも、今日はその話じゃないんですよね(笑)。

丸山 ええ(笑)。「守る」という意味では、竹中工務店さんは、いま、データセンターにも力を入れていて、ビルのセキュリティと、情報セキュリティ、ネットワークセキュリティを統合していくようなビジネスをされていると思いますが、具体的にはどんなことを進めているのですか。

後神 いま私の本部は、10人ぐらいの部隊で、業務の半分はデータセンターに関わることです。データセンターを竹中工務店として受注して建てていく。残りの半分は、「情報エンジニアリング」。ゼネコンが建てる建物はデータセンターだけじゃなくて、むしろオフィスやホテルなどの一般的な建物の方が圧倒的に多い。それらの情報システムとして、まず手掛けるのがエレベーターの制御とか空調の制御、あるいは、入退館のセキュリティなど、ビル設備としての情報システムですね。それから、もうひとつは、そこに入居されるお客様が使うITがあります。そういうものの構築も竹中工務店として請け負うと。いま、それぐらいの幅のエンジニアリングを提供しています。

丸山 では、建物全体の設計や施工はもちろんするなかに、そういう、情報のインフラもちゃんと入れていくという話ですね。……幅広いですね。

後神 ええ。ゼネコンは建物を、ただ建てるだけじゃなくて、IT機器や家具の据付まで、昔はターンキーといったのですが、ビルが竣工して、竣工式で鍵をお渡ししたら、もうその日から使えるという意味で、すべて段取るわけですよね。当社は北海道から九州まで各支店があり、地域事業部制をとって、独立してやっているのですが、やはり、情報システムとか、いくつかの特殊なエンジニアリングを必要とする分野は本社に部隊置いて、全国の本支店のプロジェクトをサポートしています。

丸山 なるほど。データセンターだけじゃないんですね。

後神 一般のビルもやります。

丸山 一般のビルって、最近すごくビルたくさん建っていっているじゃないですか。最近の特徴って何かあるんですか? IoT時代とか何か、ビル制御とかもなんとなくいままでは専用のプロトコルでやっていたようなものも、もうちょっと汎用プロトコルに変わってくるとか。

後神 ビルとITというのは、意外と歴史が浅いんですよ。私が入社したのは1985年なんです。85年というと、通信が自由化になって、電電公社がNTTに民営化されて、情報化の時代が到来し、世の中は、「情報に遅れる企業はもう生き残れないぞ」という雰囲気がプンプンしていて。私は電気電子工学を専攻してましたので、ゼネコンに入社する人材としては少し異色なんです。普通だったら通信会社とか電機メーカーに勤めるのですが、この時代は、どの業種も電子工学というか、情報系の学生を採りたがったため、ゼネコンに入ったり、自動車メーカーに入ったり、テレビ局に入ったり。あと、金融機関とか。そんな時代だったんですよね。ちょうどそれぐらいからなんですよ。近代の建築がITを取り入れたのは。1987、88年に、インテリジェントビルって、業界の中で流行ったんですけど、まさにそれがそうです。

丸山 ありましたね。

後神 それまでは、オフィスビルといったらねずみ色の机が並んで、島にひとつ内線電話がある程度。それが、ひとり1台内線電話を持つようになるとか、そこから何年か後には、ひとり1台パソコンを持つようになるとか。それから、ビルの設備の制御もそれにともなって、いわゆるビル監視サーバー、ビルディングオートメーションサーバーというものが導入されて、コンピュータで高度に制御されるようになってきたのが、その頃からなので、まだ30年ぐらいなんですよ。

丸山 建築というのは、ものすごい年代の技術ですけども、ITとセットになると、非常に若い技術の世界ではあるんですよね。

後神 だから、そのなかで、私もそうですけども、試行錯誤している。ビルのIT、何を使ってどう処理をしていくとコストパフォーマンスが上がるのかというようなことをやってきました。やはりいまは、皆さんの業務と同じで、インターネット、クラウドをフル活用する時代。自分で設備をもつのではなくサービスを利用するんだというようなトレンドになりつつあるのかなと感じています。

 この記事の続きはこちらからどうぞ(デロイト トーマツ グループのサイトに移動します)



著者プロフィール

  • Security Online編集部(セキュリティ オンライン ヘンシュウブ)

    Security Online編集部 翔泳社 EnterpriseZine(EZ)が提供する企業セキュリティ専門メディア「Security Online」編集部です。ビッグデータ時代を支える企業セキュリティとプライバシー分野の最新動向を取材しています。皆様からのセキュリティ情報をお待ちしております...

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