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IoT時代のエンタープライズ・アーキテクチャ入門

IoTを既存ビジネスに組み込んで、客単価を上げることは可能か? 

 「モノのインターネット」ともいわれるIoTによって、モノが「今どのような状態か?」といったデータを発するようになってきました。温度や所在や利用量や正常/異常といった状態をリアルタイムで可視化できるようになります。なにかしらのモノ(機器)を提供している企業としては、そういった状態を可視化する新しい機能を持たせることで、今までよりも高い金額で提供できないかと考えることでしょう。しかし、モノが「今どのような状態か?」を把握できたところで、それだけで果たして顧客は嬉しいでしょうか。今回は、どのようにIoTを使えばモノに客単価向上に資するような付加価値を得られるかを考えていき、そのために必要となるアプリケーション・アーキテクチャの概念を紹介します。

IoTのデータを顧客にとって”価値ある情報”に変える

 今回のポイントは、IoTでモノから発せられるデータを顧客にとって”価値ある情報”に変えることです。この連載では、IoTによって企業のビジネスモデル変革をするためにはヒト・モノ・カネ・情報の中のモノ以外の要素に着目すべきだと考えて、これまでにヒトとカネの動きの進化を見てきました。

 今回は“情報”に着目して、そこから導かれるアプリケーション・アーキテクチャを見ていきます。(連載の全体像については、第1回「IoTでビジネスモデル変革に成功している企業の共通点」をお読みください)

図 1:今回のスコープ[クリックすると図が拡大します]

「データ」と「情報」の違いとは?

 最初に、「データ」と「情報」という、似ているようにも見える2つの言葉について見ていきたいと思います。

データ(data):文字や数字や記号の羅列

情報(information):人が何かを判断するためのもの

 よく天気予報を例に説明するのですが、各地の温度や降水量といった数値の羅列は“データ”であって、これらのデータを統合して「東京は雨」となれば“情報”です。その情報があれば、出かけるときに傘を持っていこうと判断できるからです。

 IoTのデータを顧客にとって”価値ある情報”に変えることを考えるときも、この天気予報の考え方が役立ちます。下図のように、(1)どのような情報が必要か?→(2)どのデータから情報を作るか?→(3)どのように情報を作るか?の3ステップで考えていくことになります。

図2:データを”価値ある情報”に変える3ステップ[クリックすると図が拡大します]

 この3ステップを、今回はBEMS(Building Energy Management System/ビルエネルギー管理システム)を例に見ていきます。ビルの設備や機器の消費電力の可視化や制御を行うシステムで、特に東日本大震災における電力危機の頃からよく見かけるようになってきました。

 BEMSによって、モノ(機器)の消費電力という“データ”を出力することができるのですが、それを何かを判断するための“情報”に変えるためには、どうすべきでしょうか。

図 3:BEMSの例

次のページ
データを”価値ある情報”に変える3つのステップ

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この記事の著者

安田 航(ヤスダ ワタル)

NTTテクノクロス株式会社 EAストラテジスト
NTTソフトウェア入社(現社名、NTTテクノクロス)以来、エンジニア、ITコンサルタントとして活動。EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)手法を駆使したIT戦略/グランドデザインの策定と推進に多数の実績を持つ。日本企業の縦割り的な情報システムの考え方に...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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