弁護士ドットコムは、アンダーソン・毛利・友常法律事務所(以下、AMT)、みらい翻訳と共同で、法務業務の革新を目的とした実証実験を開始すると発表した。
同実証実験では、AIエージェントをつなぐ標準プロトコル「MCP(Model Context Protocol)」を活用し、マルチエージェント連携の有効性を検証するとのことだ。特定分野に特化したAIと汎用チャット型AIを連携させ、法律実務の現場で実用性を検証するという。
これまで法律実務の現場では、一般的事項の調査、リーガルリサーチ、文書作成など、目的に応じて異なるAIサービスを個別に利用する必要があったとのことだ。しかし、サービスごとにインターフェースが異なり、その都度同じ文脈をプロンプトとして入力し直さなければならないなど、ユーザー体験の分断が課題になっていたとしている。
今回3者が連携し、マルチエージェント運用の実証を行うことで、法律分野における実用的なAI協調のモデルケースを提示すると述べている。

汎用チャット型AIとリーガル特化型AIを連携
同実証実験では、MCPを活用し、みらい翻訳が開発する汎用チャット型AIエージェントと、弁護士ドットコムのリーガル特化型AIエージェント「Legal Brainエージェント」を連携させ、実際の法務業務のユーザー体験が向上し、生産性が向上するかを検証するという。
AMTは、法務知見の提供と実務シナリオでの生産性向上の検証を担い、従来は外部利用に慎重だった高機密業務にもAI活用の道を開く取り組みになるとのことだ。

シームレスなAI連携による体験向上
みらい翻訳の汎用チャット型AIエージェントと、弁護士ドットコムのLegal Brainエージェントを連携させることで、ユーザーは汎用チャット型AIからリーガル特化AIを呼び出し、専門的な回答を得ることが可能に。ユーザーが複数のAIツールを切り替えることなく、一般的な質問から高度なリーガルリサーチまでを一つの汎用チャット型AIエージェントで完結できる利便性を検証するという。
汎用AIと専門AIの連携の有効性を検証
AI間連携の過程で、認証や権限設定、出力の責任範囲を明確化し、通信経路の暗号化などによって機密情報の安全性を確保するという。これらの検証を通じ、従来は外部利用を避けてきた高機密な法務業務にも、安全かつ効率的にAIを活用できる環境の実現可能性を評価するとしている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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