米現地時間3月31日、VMwareは「VMware Cloud」を発表した。
今回発表した、VMware Cloudの活用により、データセンター、エッジ、クラウドにおけるアプリケーションのモダナイゼーションを加速するとしている。また、あらゆるクラウドでの構築や展開が可能になるため、開発者の生産性は大きく向上し、IT部門では、より良いコスト効率とより低いリスクで、インフラと運用をモダナイズできるという。さらに、同製品とともに発表した、以下の新製品により統合的な顧客体験を提供するとしている。
- VMware Cloud Universal:VMwareのマルチクラウドインフラと管理サービスの購入と利用を簡素化する、サブスクリプション サービス
- VMware Cloud Console:デプロイ環境の場所を問わず、VMware Cloudのインフラに対する単一の監視と管理環境を提供する
- VMware App Navigator:アプリケーション変革イニシアチブにおける評価と優先順位付けを行う新サービス。アプリケーション資産全体に対して個々のアプリケーションの価値に基づき評価を実施できる
オンプレミスとクラウドの両方に対応するプラットフォームであるVMware Cloudは、統合的なセキュリティと運用、従来型とモダンアプリケーションのサポート、ネイティブクラウドサービスへの接続を支援し、開発者とIT運用担当者、双方の要件に対応するという。これにより、マルチクラウド対応かつ単一のクラウド運用モデルによるシンプルさと可搬性を実現し、単一のクラウドのみを活用する際に発生する課題を最小限に抑制することを可能にするとしている。
また、Amazon Web Services(AWS)、Azure、Google Cloud、IBM Cloud、Oracle Cloud、VMware Cloud on Dell EMC、そして数百社のVMware Cloud認定パートナが運用するクラウド上のVMware Cloud Foundationにアプリを展開し実行できるという。さらに、VMware Marketplaceでは、検証済みサードパーティおよびオープンソースの開発者向けソリューションを提供している。加えて、ネイティブのパブリッククラウドに展開、運用も可能だという。
コスト効果、運用の簡素化、アプリのモダナイゼーション
VMware Cloud Universalの活用により、自社のペースでクラウドを導入し、複数のクラウドを利用できる単一の運用モデルからメリットを享受できるとしている。VMware Cloud Universalは、ハイブリッドクラウドアーキテクチャを採用する企業、クラウドへの移行期間が長期化または変動している企業、クラウドバースティングやオンプレミスインフラの運用コストモデルを必要とする企業に最適なサブスクリプションサービスだという。
VMware Cloud Universalは、VMwareのマルチクラウドインフラと管理に利用できるクレジットを購入し、オンプレミスのVMware Cloud Foundation、VMware Cloud on AWS、VMware Cloud on Dell EMCでの導入に適用する仕組みだという。これにより、次のようなメリットが得られるとしている。
- 選択肢と柔軟性:一度の購入で、契約期間中いつでも対象サービスのデプロイが可能になる
- 互換性:未使用のオンプレミス用Cloud Foundationクレジットを契約期間中いつでもVMware Cloud on AWSやVMware Cloud on Dell EMCに振り替えて適用することができる
- Cloud Acceleration Benefits(CAB):VMwareのPerpetualライセンスをVMware Cloud Universalクレジットに活用できる
- Kubernetesの組み込み:VMware Tanzu Standard Editionにより、Kubernetesの展開と運用を簡素化する
- マルチクラウドの管理と運用:VMware vRealize Cloud Universalにより、SaaSベースのマルチクラウド管理が実現できる。
- VMware Success 360:成功プラン、継続的な導入ガイダンス、設計ワークショップ、プロアクティブサポートなどを用意している
新しいサービスであるVMware App Navigatorは、企業におけるアプリケーションのモダナイゼーションにおける優先順位付けを支援し、より迅速に結果を出せるようにする。アプリのポートフォリオ分析にアジャイルアプローチを採用、ツールによる自動化と実践的なアプローチによって、プロジェクトの開始に当たっての十分な計画を立て、次にアプリとクラウドの変革へと迅速にスケール。このサービス期間中、VMwareの担当者とともにアプリのポートフォリオを合理化し、ビジネスとITの目標に基づきアプリごとにモダナイゼーション戦略と環境を明確化し、成果指向のロードマップを策定するという。
これにより、作業担当者のスキルに依存することなく、ビジネスニーズに基づいて迅速にモダナイゼーションを実行できるほか、リスクを最小化するためにこれらの作業を自らが行うことも可能だとしている。
VMware Cloud Universalは、2022年度後半(2022年1月28日まで)に提供予定だとしている。また、VMware App Navigatorは提供を開始している。
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