独現地時間4月13日、SAPと投資会社のDediqは、金融サービス分野での提携に合意したことを発表した。銀行および保険業界へのサービスを改善するため、両社は新しいソリューションへの多額の投資によってSAPの金融サービスポートフォリオを共同で拡張していくという。
規制当局の承認が得られ次第、両社は専門の金融サービス業界(FSI)ユニットを共同で設立。両社はともに、このFSIユニットに資金、テクノロジー、開発に関する専門知識を提供するだけでなく、金融/IT市場において短期間で確固たる地位を築くために必要とされる広範なパートナーエコシステムを活用するという。このユニットに対するDediqの投資額は5億ユーロを超えるとしている。
SAPのCEOを務めるクリスチャン・クライン(Christian Klein)氏は、「Dediqとの提携により、金融サービス業界のお客様のデジタルトランスフォーメーションを実現するためのサポートが大幅に強化され、包括的なビジネス変革を支援する革新的なクラウドソリューションの提供が加速します。金融サービスはSAPにとって重要な業界であり、SAPは今回の提携によってこの市場に対するコミットメントを改めて強調するとともに、強化していきます」と述べている。
SAPは、これまでと同様のエンゲージメントに加えて、新たなFSIユニットが実現する新機能を提供するという。新しいソリューションは銀行および保険業務のプロセスサイクル全体をカバーし、規制要件の遵守をサポート。これらのソリューションは、統合データを基盤とし、金融業務プロセスをクラウドの「SAP Business Technology Platform」に移行できるよう支援する。
たとえば、銀行向けの商業貸付ソリューションは、オリジネーションから信用リスク評価、再貸付、債権管理までのあらゆる段階を、すべての関連データを1ヵ所に集約してカバー。これにより、ITコストと複雑さが大幅に低減されるという。
新しいFSIユニットは、反トラスト関連の承認を得られ次第、2021年の後半に正式に設立される予定であり、そのための準備は数週間以内に開始される見込みだとしている。
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