Arqitと住友商事は、Arqitが開発した量子暗号技術の日本市場における販売代理店権に関するパートナーシップを締結したことを発表した。
Arqitは、量子暗号技術を用いてサイバーセキュリティを確保することをミッションに掲げ、2017年に設立。その後の4年間を通じ、量子鍵の開発・実用化の確立に努め、現在では数百の特許を取得しているという。また同社は、高セキュリティながら低コストで量子暗号技術を提供する量子暗号技術ソリューション「QuantumCloud」をクラウドサービスを有している。
住友商事は、2021年3月に量子技術による社会変革を目指す「Quantum Transformation(QX)プロジェクト」を立ち上げ、広範な事業領域を持つ総合商社として、量子技術による社会変革のリーディングカンパニーを目指しているという。
同ソリューションの日本市場向けの営業活動に加え、官公庁やメーカー、金融機関などとも研究開発や共同事業を検討。たとえば、クレジットカードの決済情報の通信に量子暗号技術を適用し、顧客情報や決済情報の完全な秘匿保護を可能にするような金融向けの量子暗号の普及を図っていくという。また、ArqitとNASDAQ上場の特別買収目的会社の合併にともなう私募増資を引き受けることも決定している。
【関連記事】
・NECや東芝、NICTなど5者が国内初となる量子暗号技術の共同検証へ
・IBM Cloudに耐量子暗号サービスなど新機能を追加 未来の脅威に備える
・東芝、量子暗号通信システム事業を開始 2021年4月の実証事業開始を目指す