独現地時間6月3日、SAP SEは、グローバルカンファレンスにおいて、「SAP Business Network」を発表した。
本ソリューションは、ビジネス成果の向上、経済的、地政学的な状況変化への対応の強化、およびサステナビリティへの貢献拡大を実現する新たなビジネスコミュニティの構築に向けたビジョンの第1段階だとしている。また同社は、ビジネスプロセスの変革、パフォーマンスの改善、事業運営の最適化を支援する新たなイノベーションについて、以下の項目を予定しているという。
SAP Process Insights
ビジネス・プロセス・インテリジェンス(BPI)・ポートフォリオの一部である、SAP Process Insightsは、組織の実際のビジネスプロセスを分析し改善につなげることを可能にするとしている。SAPは、EY、Deloitte、Infosysと連携し、SAPのBPIを使って変革を支援するという。
SAP Concurの新機能、Verify
SAP Concurソリューションの新機能であるVerifyサービスは、AIと機械学習を使用して、経費精算レポートの問題や異常を自動的に特定するとしている。このAIモデルは、1兆ドルを超える支出と数千万ドルの経費および領収書の分析に基づいて構築されているという。同機能により、問題がない経費精算レポートは自動で承認し、異常がある場合は監査人が確認できるようフラグを設定。このAIベースのエクスペリエンスにより、監査人は規則に準拠した経費精算レポートの確認に無駄な時間を費やすことなく、コンプライアンスや不正行為などの問題を的確に特定できるようになるとしている。
SAP Upscale Commerce
SAP Upscale Commerceソリューションはオンラインコマースのノーコードソリューションであり、中規模小売業者がオムニチャネルのショッピングエクスペリエンスを数分で構築できるという。小売業者は、組み込まれたAIを活用し、ソーシャルセンチメントおよび購買データを基盤とする360度の顧客ビューに基づいて、パーソナライズされた商品やサービスを提供可能。また、ヘッドレスAPIアーキテクチャーによってチャネルでの購買および配達に関する情報を顧客にリアルタイムで提供できるとしている。また、SAP Upscale CommerceをSAP S/4HANAと統合して、顧客対応のエクスペリエンスとバックエンドの財務、ロジスティクス、およびフルフィルメントシステムを連携させ、円滑なカスタマーエクスペリエンスを提供できるという。
3つの新しいSAP Business Technology Platform機能によってデータからインサイトを取得
SAP Analytics Cloudが、SAP SuccessFactorsソリューションの業務要員計画および分析機能を提供。これらの機能は、業務データ、財務データ、従業員データをリンクすることで、要員に関するより包括的なインサイトを企業に提供できるようになるという。
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