日立製作所(以下、日立)と日立ビルシステムは、新常態(ニューノーマル)時代の働き方の実験場として、日立ビルシステムの本社地区のオフィスのリニューアルを行い、8月2日から運用を開始することを発表した。
両社は、昨年4月以降、建物内の非接触での移動・生活を実現するタッチレスソリューションをはじめ、感染症リスク軽減のニーズに対応する製品・サービスを開発、提供している。また、ビル共通プラットフォームソリューションとして、「BuilPass」と「BuilMirai」を開発し、顧客への提案も進めているという。
また、日立ビルシステムでは、昨年7月に「タイム&ロケーションフリー」(時間や場所にとらわれない柔軟な働き方)をキーワードとして、実際に働く社員が“働きたい、働きやすい”と感じるオフィス環境の実現をめざし、若手社員40人をメンバーとする社内プロジェクトを発足。第一弾として、約2,250名の社員が就業する本社地区の2拠点のオフィスのリニューアルの検討を進めている。
本リニューアルでは、全社員へのスマートフォンの貸与と在宅勤務の推進を前提として、両拠点でフリーアドレス制を採用し、執務エリアを集約。リモート会議が可能な個室や個人が集中して作業できるブースなどを新たに配置するという。また、東京都千代田区の本社には、社員同士のコミュニケーション機会を創出するとともに、社員がリフレッシュを図り、仕事の創造性を高められるよう、緑があふれる空間の中に、ソファやカフェカウンター、リラクゼーションスペースなどを配したオープンエリアを新設するとしている。
これにあわせて、専用のスマートフォンアプリでオフィス生活に必要となる施設予約管理やオフィス情報の入手などが一元的に行える「BuilPass」を導入。社員各自のスマートフォン上で、オフィスに関する配信情報の閲覧や、社内イベントへの参加登録、個人用のブースなどの一部スペースの予約ができ、出社状況などを踏まえたワークスペースの選択や効率的な業務推進が可能になるという。
さらに、本社機能を有する東京都足立区の亀有総合センターでは、食堂施設を刷新し、昼食時間以外にはオープンエリアとして活用できる空間にするとしている。加えて、「BuilMirai」の実証環境を構築し、空調機器や照明などのビル設備の統合的な遠隔監視と稼働状況の分析により、快適なオフィス環境の提供や効率的なビル管理を行うPoC(Proof of Concept:概念実証)を開始。今後、2拠点での取り組みの成果や課題を踏まえ、日本全国の事業拠点に順次展開していく予定だとしている。
【関連記事】
・日立ソリューションズ東日本と新明和ソフトテクノロジ、サービス連携で製造現場のDX支援へ
・日立システムズ、Celonis導入で業務プロセスの可視化・標準化を推進
・日立システムズ、東海村「とうかい“まるごと”デジタル化構想」実現へ