NECは、コーポレート・トランスフォーメーション(企業変革:以下、CX)の加速とビジネス共創に向けて、SAP SE(以下、SAP)との戦略的協業を強化した。
NECは昨年、「2025中期経営計画」の達成とさらなる成長を目的として、経営・事業・社員の観点によるCXを加速する変革プロジェクトを牽引する「Transformation Office」を立ち上げている。本プロジェクトにおいて、デジタル基盤の構築や改革手法のノウハウを蓄積するとともに、自身の取り組みをリファレンスモデル化して変革における課題解決を支援するという。
同社は、以下の点でSAPとの戦略的協業を強化するとしている。
NECのCX加速
NECはSAPソリューションを活用したこれまでの改革の成果を土台としながら、自身のCXの加速に向けてSAPの最新ソリューションを活用し、データドリブン経営によるビジネス環境の変化への柔軟な対応と、社員の能力を最大限に引き出すことを目指すという。
同社のCXでは、制度、業務プロセス、組織、システムをエンド・トゥー・エンドで見直し、業務プロセスの徹底的な標準化・簡素化・自動化を実施。これにより社員の時間をより多くの付加価値業務に振り向け、イノベーションの創出を促すことで競争優位性を高めるとしている。また、業務プロセス上で蓄積されたデータを最大限に活用し、経営の高度化を実現するという。
これに向けて、次世代基幹システムにSAP S/4 HANAを継続採用しその標準機能を最大限活用するとともに、プロセス標準化を強化するソリューションとしてBusiness Process Intelligenceを採用。本取り組みをNECグループで推進するため、企業変革に必要なソリューションが統合的に提供されるRISE with SAPを海外のグループ会社で新たに採用する予定だとしている。
ビジネス共創の強化
協業強化を通じてNECは、自身のCXで得る知見のリファレンスに加え、アビームコンサルティングのプロジェクト実績・経営変革力と、NECグループのICT提供能力、さらに企業DXを支援するRISE with SAPなどの最新ソリューション・機能を最大限に活用。これらの強みをもとに、エンド・トゥー・エンドでの業務プロセス変革とデータドリブン経営を実現していくという。
社会価値創造を目指すイノベーション創造
NECは社会価値創造に向けた両社共通の企業理念に基づき、SAPの技術を活用したイノベーション創造を推進。具体的には、NECの生体認証技術およびセキュリティ領域における強みと、両社の5G、サプライチェーン、サステナビリティ領域における強みを活用していくとしている。
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