MySQLにないような機能も取り入れた先進的なデータベース
DB Onlineの読者の皆さんなら、MariaDBはすでにご存じだろう。MySQLがSun Microsystemsに買収され、そのSunが商用データベースの王者であるOracleに買収されたことで、Oracleのコントロールから離れ、MySQLと互換性のある派生データベースとして新たに誕生したのがMariaDBだ。大筋、この説明は間違いないだろう。とはいえ、MariaDBは、Red Hat Enterprise Linuxに対するCentOSのような、MySQLのソースコードから商用部分を除いてコンパイルし直したクローン的なものではない。
ソースコードをコンパイルし直すクローンであれば、MariaDBは常にMySQLの後追いということになるはず。ところが実際は、「MySQLよりも新しい機能を、MariaDBで作っているところもあります」と言うのは、Monty Programのチーフ・エヴァンジェリストのコリン・チャールズ氏だ。Monty Programは、MySQLのオリジナルコードの作者でMySQL ABの創設者でもあるMichael Widenius、通称Monty氏が立ち上げたプロジェクト。MySQLのソースコードをベースにMariaDBを開発し、GNU General Public Licenseのバージョン2で配布をしている。
チャールズ氏は、MySQLをSunが扱っているときにSunを辞め、その後Monty Programに参加した。現在Monty ProgramでMariaDBの開発に携わっているエンジニアのほとんどが、もともとMySQLの開発を行っていた経験を持っている。そんな彼らが、MySQLとの互換性を保ちつつも、よりよいデータベースとなることを目指し開発しているのがMariaDBなのだ。
「MySQLではクローズドソースとなってしまっているような機能についても、MariaDBではMontyで独自に開発し、オープンソースで提供しています。決して、MySQLより遅れて出てくる互換製品ではありません」
MySQLのオープンソース・コミュニティ世界で開発されているような、先進的な機能もMariaDBでは積極的に取り入れている。「MariaDBには、MySQLの世界では有名な日本人エンジニアの松信さん(現在は米国facebookに所属)が開発した機能も取り入れていますよ」というのは、SkySQLのアジア太平洋地域担当のディレクターであるダニエル・斉藤氏だ。SkySQL社は、Monty Programと同じビル内にある企業で、Monty Programとは兄弟会社と言える間柄。SkySQLは、MySQLやMariaDBの導入コンサルティングサービスやサポートビジネスを、ワールドワイドで展開している。