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岐路に立つデータベース営業、その先にあるものは―日本IBM 四元菜つみさん

 仕事は「IBM Db2」の営業だ。担当する製品で、顧客のビジネスの成長を支援する。それを実現するためには、何をどうすればよいのか。顧客に何を伝えればよいのか。模索する日々が続く。四元菜つみ、IBM入社2年目。上司から「四元がやりたい営業スタイルは前例がない。だから、自身がロールモデルになればいい」と言われた。「誰かの後を追うのではなく、自分のポジションを構築できる人間になりたい」と語る29歳。その前途は険しくも、無限の可能性が広がっている。

 IBM Db2の将来を担う四元。その情熱の源はどこから?
IBM Db2の将来を担う四元。その情熱の源はどこから?

 「データベース担当といってもバリバリの理系ではないんです。出身は慶應義塾大学SFC。まさか自分がデータベース製品を担当し、御客様に『IBM Db2』のよさをお伝えする仕事に就くとは想像していませんでした」(四元)

 現在の肩書きは、「Db2製品担当営業」だ。その業務内容は、IBM Db2を中心とした関連製品全般の営業である。顧客やパートナーに製品の特徴や優位性を説明すると同時に、顧客の課題を聞き出し、それに対してIBM製品群がどれだけ貢献できるのかを伝えることだ。

 「IBM Db2は今年で34歳。昭和63年生まれの私より年上です(笑)。社内にはDb2のバージョン1から担当しているスペシャリストもいる。それだけ奥が深い製品ってことですよね。自分は機能詳細やロードマップを理解するだけでも一苦労です」(四元)

 部署内でも若手の29歳。打てば響くような返答と的確な言葉選びが、頭の回転の良さを感じさせる。「どんなに忙しくても『できません』とは言わない頑張り屋」と、社内でも評価は高い。IBM Db2の将来を担う(であろう)四元。その情熱の源はどこから生まれるのだろうか。

大嫌いなデータベースにハマった理由

 四元がデータベースに触ったのは、大学のゼミ生の時だった。ただし、当時はデータベースが大嫌いだったという。その理由は、初めてのデータベース構築で、インストールに失敗したのだ。

 ゼミではウィキペディア(Wikipedia)の研究をしていた。WikipediaはダンプでMySQLにデータを入力できる。しかし、四元が整えた(はずの)データをMySQLに入力したところ、動かなかったのだ。なんとか自分で解決しようと試行錯誤するもすべて失敗。アンインストールして再挑戦したが、今度はゴミが残っておりイントール自体ができなかった。

 「もちろん自分の操作にミスがあったからなんですが、『何でできないの?』 ってフラストレーションが溜まりまくりました」(四元)

 とはいえ、ITの仕事に携わりたいという気持ちは強かった。大学卒業後は金融系の情報サービス会社に就職する。その会社はITインフラ全般を手掛けるシステムインテグレータだが、四元が配属されたのはデータベース部門だった。新人研修後の配属先で「この部署ではオラクル(データベースを)を扱います」と言われた時は、「なんでデータベースは嫌いですと言わなかったのだろうと後悔しました(笑)」(四元)

 配属先で四元に与えられた業務は2つあった。1つはオラクルデータベースのチューニング/パフォーマンス管理。もう1つは市場にあるさまざまな製品の中から、金融顧客に最適なものを選択して顧客にリポートすることだ。

 「パフォーマンスチューニングでは、お客様が利用しているオラクルシステムのピークを調査し、閾値以下であるかを確認するのが主な業務でした。一方、顧客に対する製品リポートは、各ITベンダーから新製品情報をヒアリングし、金融や証券のシステムに求められる可用性やセキュリティを満たしているかをレポートすることでした」(四元)

 はじめはイヤイヤだったデータベースの仕事も、知れば知るほど「もっと知りたい」と好奇心が刺激された。四元は入社2年目でオラクル認定資格の「オラクルマスターGold」を、5年目で「オラクルマスターPlatinum」を取得する。その過程で学んだのは、「実務を積み」「自分で手を動かし」「自分で検証すること」の重要性である。

 「資格を取るための勉強で専門用語や言葉を覚えても、『それがどういう意味を持ち』『何にどう派生するのか』といった“本当の中味”は理解していなかったんですね。それに気がついたのは(最上位のデータベースエキスパートを認定する)オラクルマスターPlatinum合格してから。正直、落ち込みました」(四元)

 そんな四元を支えてくれたのは、当時の先輩や上司だった。業務時間内はもちろん、時間外でも四元の質問に丁寧に対応してくれた。「放課後の質問タイムのような環境」(四元)の中で、知識を蓄える四元。気がつけばデータベースが好きになっていた。パフォーマンスチューニングはミスをするとボトルネックになって障害を引き起こす。つまり、それだけ責任のある仕事だ。やりがいはあった。毎日が充実していた。しかし四元は自らの環境を変えることを決断する。このままでは井の中の蛙になると危惧したのだ。

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「世界を見たい」でIBMへ転職

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この記事の著者

鈴木恭子(スズキキョウコ)

ITジャーナリスト。
週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社しWindows Server World、Computerworldを担当。2013年6月にITジャーナリストとして独立した。主な専門分野はIoTとセキュリティ。当面の目標はOWSイベントで泳ぐこと。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/10175 2017/12/19 06:00

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