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Java20周年のお祝いイベント「Java Day Tokyo」を開催、Pepperも登場

 2015年4月7日、「Java Day Tokyo」が東京国際フォーラムで開催された。今年はJavaが生まれてから20周年、それをお祝いするイベントという位置づけにもなっていた。基調講演で挨拶を行った日本オラクル 取締役 代表執行役 社長 兼 CEOの杉原博茂氏は、「JavaはOracleにとってもっとも重要なテクノロジーであり、Java Dayはそのための重要なイベントです」と語る。米国Oracleの創業者でCTOのラリー・エリソン氏も、Oracleと他社が違うところはJavaがあることだと言うのだとか。

これからのJavaの20年はさらに明るい

Java20周年を祝う杉原氏ら
Java20周年を祝う杉原氏ら

 IoTやソーシャルメディアの普及など、デジタルによる大きな変革が起こりつつある。その新しい大きな波の中で、Javaはいったい何をもたらすのか。Oracleでは新しい時代には、すべてがクラウドにシフトすると言っている。その世界を「Modern Cyber Society」と呼び、そのど真ん中に位置するのがJavaだ。携帯電話やTV、ブルーレイレコーダーや自動車、あらゆるものにすでにJavaが入っている。なので、世界中には900万人を超えるJavaの開発者がいる。そんなJava開発者にとって、さらにJavaを使いやすくするために「Java Cloud Service」を提供すると杉原氏。

 今回は20周年記念イベントということもあり、Javaを開発したジェームズ・ゴスリン氏からお祝いのビデオメッセージも届いていた。

Javaを開発したジェームズ・ゴスリン氏からお祝いのメッセージ
Javaを開発したジェームズ・ゴスリン氏からお祝いのメッセージ

 「Javaができて20年、開発者のコミュニティの活気はものすごいものがあります。中でも日本は特にすごい。日本には素晴らしいパートナーもいるし、日本初の技術もたくさんありました。携帯電話でのJavaもその1つです。これからは、IoTのクレイジーな世界も待っているでしょう」(ゴスリン氏)

 IoTの開発も、Javaという1つのスキルセットがあればすべて行える。これからはJavaで動くもの1つ1つがいかに堅牢であるかが重要であり、Javaであれば驚異的なミッションクリティカルなものも作れるとゴスリン氏は言う。

 「Javaの世界が大きく広がっています。誰もがあらゆるところでJavaを使っています」(ゴスリン氏)

 Javaエバンジェリストのシャーラット・チャンダー氏は、Javaのこれからの20年はもっと明るいものになると言う。そのためには対話を続けることが重要だと。世界でも主要なコミュニティの2つが日本にあり、コミュニティ以外にも技術的な貢献が日本からは多数あるとも言う。

 チャンダー氏はJava SE 8について触れた。昨年リリースされ、コミュニティなどに参加した人たちのアイデアを採用した結果だと言う。Oracleとしてはこの新しいJavaのために、開発者のスキルセットを確保することにも積極的に取り組む。その1つがJava SE 8の認定資格制度であり、教育研修のプログラムと資格試験の提供を5月から開始することを明らかにした。

PepperのすべてをJavaでプログラミングできる

ジョージ・サーブ氏
ジョージ・サーブ氏

 Javaプラットフォーム・デベロップメントのバイスプレジデント ジョージ・サーブ氏は、Javaでは現実の問題を解決するところに注力してきたと言う。Javaアプリケーションは稼働し続けなければならない。つまり、新しい技術が登場しても、これまでに投資してきたものが無駄にならないようにすることだ。

 たとえば関数型の新たなプログラミング技術として、プロジェクトLambdaが登場した。こういった新機能を使った際にパフォーマンスが十分に発揮できるよう、根本的なサポートを徹底することが重要となる。また、新機能によりクラスライブラリがどう影響を受けるかは、開発者が気になるところ。それについては、デフォルトメソッドを加え解決している。これで既存のコードでも、新しいStream APIを使えるようになる。

 「関数でコードがすごく分かりやすくなります。これは使い勝手が良く、結果的に良いアプリケーションになります」(サーブ氏)

 もう1つ、セキュリティも常に重要だと言う。ここは、Oracleとしても注力しているところ。最新のセキュリティ規格などに準拠し、確実にセキュリティを担保するとサーブ氏は強調する。

 ここで、Java SEを使ったデモとしてソフトバンクが提供しているロボット「Pepper」がステージに登場した。Pepperの開発を行っているAldebaranでは、Pepper向けの開発APIを提供している。Pepperにはさまざまなセンサーが搭載されており相手の顔を認識し音も感知する。人が触れたことも検知でき、インターフェイスにはタブレット画面もある。これらを使って「目標は友達になるロボットを作ること」。その最初のマイルストーンが、Pepperをソフトバンクショップに置くことだった。

Pepper登場
Pepper登場

 Pepperは完全にプログラミングが可能であり、GUIベースのツールを使って簡単に動作をプログラミングできる様子が紹介された。Pepperのさまざまな機能は、ボックスという単位でまとめられ実際のアクションに紐付けされている。GUI画面でこれらを組み合わせるだけで、さまざまな動きを作れる。言語的にはフランス語、英語、日本語にも対応している。

 これらロボットの動きは、Java APIから使える。プログラミングの結果は、PepperからオフロードしてPC上でも試すことが可能。Pepper専用の秋葉原のアトリエが用意されており、ロボットと遊んだりワークショップに参加したりといったことができる。もちろん、技術的なスタッフのサポートもそこでは受けられる。

 次期バージョンのJava SE 9は来年には出る予定だ。9では、パッケージの仕方が大きく変わり「これは素晴らしい改善になるでしょう」とサーブ氏。Java SE 9のEarly Accessもすでにあるので、是非ダウンロードして使ってフィードバックが欲しい。それを踏まえて、完成品を提供するとサーブ氏は言う。

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デバイス側でもサーバー側でもJavaのスキルがあればエンジニアは活躍できる

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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