新たなクラウド・レディなプラットフォーム、Viya
「Technology Connection」というセッションに登場したエグゼクティブ・バイスプレジデントでSASのCTOのアーミステッド・サップ氏は、この新しいViyaを創業40周年という節目の年に発表すると語る。
「SASには40年間一貫してアナリティクスに取り組んできた多くの実績があり、それこそが競合他社に対する優位性です」とサップ氏。
SASでは、「ディスカバリー」と「デプロイメント」の2つの部分からアナリティクスのライフサイクルは構成されていると考えている。このライフサイクルのそれぞれのパートで必要となる機能を、40年間かけ順次提供してきた。結果として2015年までに、88のデプロイメントツールとユーティリティ、246ものアナリティクス製品を提供するに至っている。
多くの製品を提供してきたSASでは製品品質に、強い拘りを持っている。製品を高品質に保つため、製品開発を行うR&D部門には3,500名もの社員が所属している。そして利益の25%をR&Dに投資する。開発者とテスターの割合は3:1となっており、テスト工程に投入しているリソースの割合も高い。新しいアナリティクス機能の開発となれば、開発とテストの割合は1:1となりさらにテストは重視される。
そのような開発体制から新たに生まれたのがViyaだ。SAS Viyaは新しいコンピューティングアーキテクチャであり、シングルプラットフォームであり、拡張性のあるグリッドコンピューティングの形になっている。最初からクラウドで効率的に動くように設計されており、SAS独自のインメモリデータ処理エンジンも搭載されている。Viyaのプラットフォームの上では、ビジュアル・アナリティクスや機械学習など、SASがこれまで提供してきたアナリティクス機能がこの上で動くことになる。
Viyaのインメモリデータ処理エンジンは、既存の仕組みから拡張されている。以前のインメモリのエンジンでは、分析対象となるデータはすべてメモリ上になければならなかった。つまり、扱えるデータ量は、メモリ容量に制限されていたのだ。Viyaのエンジンでは、データ量がメモリー容量を超えるような場合にも高速に処理できるように拡張されている。
Viyaはオープンなプラットフォームであることが特長であり、さまざまなプログラミング言語が利用できる。各機能の実装は、マイクロサービス化したものを必要に応じViyaのプラットフォームに追加していく形になる。このViyaは、既存の製品ラインであるSAS 9.4の延長線上にあるものではない。既存のものとは別製品ラインとして開発されている。とはいえSAS 9.4からSAS Viyaへの移行は容易であり、移行のためのマイグレーションツールも提供される予定だ。