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サンフランシスコで急成長するサービス成功の秘訣は「エンジニアの支持」―イノベーション・ツアー記

2016/10/05 14:00

 今週は、Salesforce.comの年次カンファレンスイベント「Dreamforce 2016」の取材で米国サンフランシスコを訪れている。今年のテーマは「Customer Trailblazers」となっており、先駆者となって顧客との関わり方を変革する、その変革を牽引する人にフォーカスを当てている。イベントの本格的な開幕は、現地時間の4日火曜日から。その前日3日には、プレス向けに今急激に成長しているサンフランシスコの元気ある企業を訪問する「イノベーションツアー」が開催された。

LEAP MOTIONは世界中のエンジニアが参加する開発コミュニティが支える

 最初に話を訊いたのは、仮想現実、拡張現実のソリューションを開発しているLEAP MOTIONだ。同社は2010年に創業、世界に50人ほどの社員を抱えている。社員数は少ないが、同社が2013年から提供しているソリューションの開発コミュニティには、世界中から26万人以上のエンジニアが参加している。2016年には「Orion」という仮想現実のソフトウェアの提供を開始している。

 ヘッドマウントのゴーグルと、それを装着した人の動きを感知するカメラを組み合わせると、仮想空間が形成され、その空間に拡張現実の技術で自分の「両手」が出現する。仮想空間の中で自分の手を使ってさまざまな動作、操作が行える様子が、デモンストレーションで紹介された。こういったことを実現しようとした場合、これまでは多数のセンサーが搭載されたグローブを装着するのが普通だった。それがOrionでは、グローブなどを装着せずにカメラ映像だけで仮想空間内に手を登場させることができる。

 仮想現実のソフトウェアOrion

仮想現実のソフトウェアOrion

 仮想空間の中には「積み木」状のものがあり、それを手で積み上げたり崩したり、投げたりもできる。さらに、手の動きでさまざまな形の物体を新たに生み出すこともできる。これらの仮想空間の中での動きは極めてスムースで、ぎこちなさは見られない。これがゴーグルと小さなカメラ、そしてあとはごく普通の性能のPCがあれば簡単に実現されている。

 この日披露されたデモンストレーションでは、かなり技術の進歩の早さを実感させられるものだった。ただ、この技術がすぐにビジネスになるのかは未知数の部分もありそうだ。技術習得の仮想トレーニングなどには応用できるかもしれないが、リアリティを出すためにはかなりの量のデータ処理をする必要もあり、そうなれば相当なコンピュータパワーが必要になりそうだ。

slackはエンジニアの口コミで日本でも拡大中

 次に話を訊いたのは、新たなコミュニケーションツールとして日本でも利用者が増えているslackだ。slackは2009年に創業、従業員数は世界中に600人を超える規模まで拡大している。急激にビジネスは成長しており、1日あたり300万人を超えるアクティブユーザーがあるそうだ。

 slackはいわゆるチャットツールだ。たんにチャットができるだけでなく、さまざまなカスタマイズができるのが特長だ。この新しいコミュニケーションツールを使うことで、これまでメール処理に費やしていた時間の48.6%が削減できる。さらには、会議に費やす時間も大きく削減できるのがメリットとして挙げられていた。

 米国生まれのサービスなので利用者が最も多いのは当然米国だが、カナダ、日本でも急激に利用者が増えているとのこと。slackはさまざまなカスタマイズが可能で、そのあたりがエンジニアなどに好評のようだ。APIも利用でき、これを使って他のサービスと連携しての利用も可能だ。Salesforceとの連携機能もすでに提供されており、slackの中からSalesforceに格納されている各種顧客データの参照なども可能となっている。slackのビジネスモデルはフリーミアムモデルで、無料版と有料版が用意されている。

 slackはまだ、日本では認知度の高いサービスではないだろう。プロモーションもそれほど行われているわけではないにもかかわらずユーザーが増えているのは、利用しているエンジニアの口コミ的な広がりがあると思われる。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにし...

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連載:週刊DBオンライン 谷川耕一

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