SAPジャパンは、東北電力がSAPの設備保全システムである「SAP Enterprise Asset Management(SAP EAM)」を採用し、2020年12月から原子力発電設備の保全業務を担う原子力設備保全統合管理システムの本稼働を開始したことを発表した。
本プロジェクトは、四国計測工業が導入を支援している。四国計測工業は、SAP Enterprise Asset Managementにて構築された四国電力伊方発電所の統合型保修管理システムおよび業務プロセスのノウハウを用いて、業務改革支援とシステム開発全体におけるパッケージ導入全般を担当したという。
SAP Enterprise Asset Managementは世界の公益企業の設備保全管理システムとして、原子力発電所、火力発電所、水力発電所、送配電設備などで導入されている。特に米国の原子力発電所における導入実績は多く、米国が2000年から運用しているROP(原子力規制検査)に対応できるソリューションとして多くの米国の原子力発電所に採用されているとしている。
また、アセットマネジメントの国際規格へ準拠しヒト・モノ・カネを包括した統合設備保全を実現するソリューションだという。設備を中心に、作業情報、故障情報、資材情報等のデータを蓄積・活用。これにより、いつ・どのような保全をすべきかよりよい作業計画を立て、設備資産としての価値を最大化できるとしている。具体的には設備ごとの設備保全から作業計画、資材・作業員などの調達、作業実績の登録、分析評価から予算実績管理まで継続的に設備管理のPDCAを促進することが可能だという。
また設備や機械のIoTデータを用いた予測分析と状態基準保全やデジタルデータによる、設備製造メーカ、協力会社など企業間を横断する業務プロセスの連携、リスク分析に基づく戦略の策定。さらに、それを実行に移す仕組みも提供している。
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