日本電気(以下、NEC)、横須賀市、AmbiRise、グラビス・アーキテクツは、2020年8月26日に「電子請求ソリューションを活用した業務効率化の検討に関する協定」を締結し、当該協定に基づき、横須賀市役所において処理される請求業務にAmbiRiseの電子請求ソリューション「Haratte」を活用した実証実験を進めていた。今回、実証実験の結果について成果報告書として4者共同でまとめるに至ったとし、その概要について発表した。
実証実験について
本実証実験は、横須賀市の現状の業務やシステムの調査を行い、電子請求ソリューションを導入する場合に業務効率化の効果が期待できる業務パターンの抽出や業務改善モデル(Tobe業務フロー)の検討を行うとともに、横須賀市の請求・支払業務に試験的にHaratteおよびHaratte連携ツールを導入。業務効率化の効果実測や課題の抽出などを行う形で実施し、その結果を4者共同で成果報告書としてまとめたものだという。
実証実験では、支払い対象となるすべての事業者が、Haratteを利用して市に対する請求を行っていることが前提となるが、横須賀市において業務の簡素化・効率化の手法として推進している支出負担行為兼支出命令(兼命令)の手続きにHaratteを活用することにより、横須賀市の全支出件数の約57%(約6万2千件)を業務効率化の対象とし、対象業務について約71.5%、年間約3,848時間(約14,238,128円)の業務時間が削減可能となることがわかったとしている。
参加者と主な役割分担
- NEC:財務会計システムの動作環境の提供、GPRIME財務会計システムへの連携ツール組込・検証
- 横須賀市:横須賀市の業務・システムに関する情報提供、業務プロセス改善モデル案の実現可能性確認、検証への参加
- AmbiRise:実証実験の企画・実施計画およびプロジェクト統括、Haratteの提供および動作検証、機能追加
- グラビス・アーキテクツ:横須賀市の現行業務分析、業務改善モデルの作成、課題の抽出
横須賀市 デジタル・ガバメント推進室のコメント
人口減少にともない、横須賀市のデジタル・ガバメント推進による業務の効率化は急務であると認識しています。今回の実証実験を通じて、横須賀市で請求業務の電子化を進める場合の「効果」「課題」「業務見直しのポイント」を具体的に把握することができ、今後のデジタル・ガバメント推進につながる成果を得ることができたと考えております。請求業務に関わらず、横須賀市はICTを活用して行政や社会を変革し、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指して参ります。
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