SAPジャパンは、新型コロナウイルスワクチン予防接種に関して、日本の自治体から住民へのワクチン接種に至る管理と接種状況のリアルタイムでの可視化を行うサービス「ワクチン・コラボレーション・ハブ(以下、VCH)」の日本での提供を2月16日より開始した。
VCHは、「バリューチェーン可視化」「サプライチェーン計画」「ミッションコントロール」の3階層のサービスとなっており、それぞれがAPI連携する形になっているという。
バリューチェーン可視化:製造メーカーから納品まで
原材料入手から製造、配送に至る製造・物流の管理を支援するサービス。正規商品のみを正しく流通させること、各所の需要に応じた生産を行うこと、新規メーカー・要件に対しても迅速に対応することなどを可能とする、製薬メーカーと国(購買者)をつなぐものだという。
サプライチェーン計画:納品元である国から自治体・接種会場へ
限られたワクチン供給量、消費期限を考慮した適切なサプライチェーンの管理を行うサービス。これによりさらに多くの人命を救うこと、サプライチェーンを効率化することでコスト削減を図ること、サプライチェーンの目詰まり防止することを目指すものであり、集団免疫を計画通り早期実現するための重要な要素だとしている。
ミッションコントロール:自治体から住民へ
自治体から住民への接種に至る管理と接種状況のリアルタイムの可視化を行うサービス。市民の体験・考えを理解し、正しい情報周知を通じて意識を向上させ、ワクチン接種への躊躇を減らすことにより、予防接種プログラムの成果を向上させるという。これは、クアルトリクスと共同のソリューションだとしている。
ドイツ・ザクセン州では、2021年1月よりTシステムと共同で、第一段階から第三段階までのすべてのサービスを段階的に拡張する形で導入が行われており、同州のワクチン接種の仕組みの基盤を支えるものになっているという。
SAPジャパンは、VCHの3層目のサービス「ミッションコントロール:自治体から住民へ」について、グローバルで展開しているサービスをもとに、LINEと協業し、日本の自治体や市民のニーズにあわせたカスタマイズを行い、日本に展開する。具体的には「自治体向け新型コロナワクチン接種安心サポートサービス」として、以下のようなサービスを提供するとしている。
- 住民自身によるWeb予約
- コールセンターによる予約受付に対するLINE AiCallでの支援
- 接種会場での受付時の接種券・本人確認
- 接種記録の電子化
- 住民へのフォロー(2回目接種案内、副作用確認、一斉情報周知など)
- 接種進捗可視化(ダッシュボード)
- 接種パスポート(接種証明書電子交付)
【関連記事】
・SAPジャパンとコンカー、リモートワーク浸透で本社を移転へ
・売上高が見通しを上回る結果に【SAP 2020年第4四半期決算】
・SAP、新たな統合サービス「RISE with SAP」を提供開始