東芝、東芝デジタルソリューションズ(以下、TDSL)とSAPジャパンは、東芝グループの次期基幹システムの構築および稼働後の活用を最大化するために、「戦略パートナーシッププログラム」を締結したことを発表した。
本パートナーシッププログラムにより東芝グループとSAPジャパンは、2019年11月に東芝が採用したSAP S/4HANAをはじめ、SAP Analytics Cloud、SAP Aribaなどのソリューションを東芝グループに導入していくことを通して東芝グループのデジタル変革に取り組んでいくという。
また、今後、TDSLとSAPジャパンは、東芝でのプロセス改革・システム刷新におけるシステムの構築や運用保守の知見を生かしたSAPソリューションの外販ビジネスにおいて協業し、他企業のデジタル変革および業務の効率化に貢献するとしている。
東芝グループは2018年に公表した全社変革計画「東芝Nextプラン」において、サイバー・フィジカル・システム(CPS)テクノロジー企業への変革を目指している。この実現に向け「プロセス改革・システム刷新」を主要改革の1つに位置付け、SAP S/4HANA をはじめとするSAPソリューションの採用を決定し、現在、グループ内の既存システムの80%以上を刷新するとともに、全システムの90%以上のクラウド化を進めているという。
戦略パートナーシッププログラムを構成する4つのサービス
1. Strategic Program Management Office(Strategic PMO):東芝のデジタル変革の成功に寄与するための戦略プログラム管理サービス
2. Professional Service:東芝社内にデジタル変革のエキスパートを育成するためのサービス。以下の2つの要素も活用する
- Preferred Card:SAPエデュケーションサービス利用における優遇契約
- SAP Learning Hub:SAPエキスパートを育成するためのトレーニングツール
3. Innovation Business Solution Organization(IBSO):重要固有機能の実装と協働イノベーションの醸成を支援するサービス
4. SAP MaxAttention:プロジェクトの確実な成功を支援するサービス
三社は、本戦略パートナーシッププログラムを通じて、東芝グループにおける、SAPソリューションとサービスの活用を最大化したデジタル変革の実現を目指すとともに、今後、TDSLとSAPジャパンによる外販ビジネスでの連携において詳細を検討していくとしている。
東芝 代表執行役社長 CEO 車谷暢昭氏は、「今般、ビジネスソフトウェア市場をけん引するSAPと戦略パートナーシッププログラムを推進できることを大変嬉しく思います。SAPの強みは、アプリケーション間の統合が容易でビジネスプロセス全体の統合がしやすいこと、また価値実現までのスピードの速さです。東芝グループにおいてIT基盤の強化は最重要事項です。今回、SAPとともに東芝グループの次期基幹システムを立ち上げ、グループ全体でのオペレーションの統一化とデジタル化を進め、業務の効率化、経営の可視化、投資予算の最適化の早期実現を目指します。また、TDSLにおけるSAPソリューションの外販ビジネスの協業により、社会全体でのデジタル変革や業務の効率化に貢献できることを楽しみにしております」と述べている。
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