EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)は、総務省が行う令和6年度「地域デジタル基盤活用推進事業」の実証事業として、広島県神石郡神石高原町(じんせきこうげんちょう)で「中山間地域(※)のLTE不感エリア(※)におけるWi-Fi HaLow(※)を活用したドローンサービス実証」を実施した。
※中山間地域:農業地域類型区分のうち、中間農業地域と山間農業地域を合わせた地域。全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割、農業産出額の約4割を占める。
※LTE不感エリア:携帯電話の基地局から電波が届かないため、LTE(Long Term Evolution)などの通信サービスを利用できない地域。
※Wi-Fi HaLow:約1kmの長距離通信が可能なWi-Fi通信技術。
広島県東部に位置し、岡山県に隣接する神石高原町では、中山間地域を中心に過疎化・高齢化に伴う店舗閉鎖・免許返納による交通手段の消滅により、買い物困難者が発生しているという。
対応策としてドローン物流の導入に取り組んでいるものの、ドローン飛行には携帯電話回線が必要となるにもかかわらず、神石高原町には携帯電話が圏外となる「LTE不感エリア」があるため、飛行エリアの制約や、住民からのドローンに対する安全性への不安といった課題があるとのことだ。
この課題解決に向け、携帯電話が圏外となるエリアについては、Wi-Fi HaLowを用いてドローンを飛行させる同実証が実施されたとしている。
実施内容
- 通信手段切り替え時の、ドローン制御通信の安定性実証ルートにLTE不感エリアが含まれるため、通信状況に応じてLTEとWi-Fi HaLowを切り替え、ドローンが制御可能であることを確認
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LTE不感エリアでもWi-Fi HaLowで機体情報を地上に転送し、かつ地上からドローンの制御が可能であることを以下の方法で確認
① 飛行ルートの延長線に人物を配置し、ドローンを自律飛行させ、人物検知したことをWi-Fi HaLow経由のPCで確認
② 人物検知したことを契機に、地上局からドローンに対して、Wi-Fi HaLow経由で安全地帯への着陸を指示し、指定通りの場所に着陸することを確認


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