オラクルとGoogle Cloudは、日本の顧客に「Oracle Database@Google Cloud」の提供を開始した。
サービスの日本初上陸により、顧客は「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」や「Oracle Cloud Infrastructure」を、Google Cloudのアジア北東1(東京)リージョンにあるデータセンター上で利用できるようになったという。また今回初めて、オラクルとGoogle Cloudのパートナー各社は、Google Cloud Marketplaceのプライベートオファーを通じて「Oracle Database@Google Cloud」を購入し、自社の顧客向けに再販できるようになるとのことだ。
Oracle Database@Google Cloudは、クラウド移行の加速を支援し、オラクルが提供するデータベースアプリケーションの運用を簡素化するよう設計されているという。たとえば、販売管理におけるトランザクション処理、サプライチェーン・マネジメントにおけるデータウェアハウジングや分析、金融サービスや電子商取引でのリアルタイム・トランザクション処理などに対応可能。これにより、顧客はOracle Databaseを活用して新たなクラウドアプリケーションを構築できるほか、既存のオラクルのデータベースやアプリケーションをGoogle Cloudデータセンター上のOCIに移行できるとしている。
さらに開発者は、GoogleのGeminiやVertex AIなどのツールを活用することで、「Oracle Database 23ai」とGoogleのAIモデルを統合し、新たなクラウドネイティブアプリケーションを開発できるという。既存のGoogle Cloudユーザーは、エンタープライズ向けワークロードに最適化された、フルマネージドな形態でOracle Databaseを利用可能。Google Cloud Marketplaceとの統合と今後展開予定の新たなパートナープログラムにより、日本の顧客はクラウド環境の調達や運用管理の負荷を軽減できるとのことだ。
「Oracle Database@Google Cloud」
Oracle Database@Google Cloudを通じて、日本の顧客に最初に提供するオラクルのデータベースサービスは次のとおり。
- 「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」が「Oracle Exadata X11M」をサポート:「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」は「Oracle Exadata X11M」をサポートし、「Real Application Clusters(RAC)」が利用可能。AI、分析、オンライン・トランザクション処理(OLTP)全体で、前世代と比べてパフォーマンスの向上を実現するという
- 「Oracle Database 23ai」:Oracle Databaseの最新バージョンでは、「Oracle AI Vector Search」や「JSON Relational Duality Views」など、AIとデータの活用を簡素化してアプリケーション開発を加速し、ワークロードの実行を支援する300以上の主要機能を新たに追加。「Oracle AI Vector Search」機能により、顧客は文書・画像などの非構造化データと、社内の業務データを安全に統合・検索できるようになり、データを移動・複製する必要がないという。また「JSON Relational Duality Views」により、開発者はJSONとリレーショナルのいずれか一方のデータ型を選ぶ必要がなくなり、同じ情報に対して両方の利点を活かせるとしている
- 「Oracle Autonomous Database」:Google CloudのコンソールおよびAPIと統合され、完全に自動化・管理されたOracle Databaseサービスを提供。これにより、グローバル企業は、シンプルなワークロードからミッションクリティカルな業務まで、あらゆるワークロードを安全かつ効率的に移行・実行することが可能になるという。同サービスは、「Exadata Cloud Infrastructure」上でRACを利用して、高いパフォーマンス、可用性、セキュリティ、スケーラビリティを実現するとのことだ
日本の顧客にワークロードに対する選択肢を提供するために、Oracle Database@Google Cloudにおける「Oracle Base Database Service」を近日中に提供開始する予定だとしている。Oracle Base Database Serviceは、「Oracle Database Enterprise Edition」と「Standard Edition 2」のOracle Database 19cと23aiのバージョンを仮想マシン上で実行するという。管理者の負担を軽減する自動化されたデータベースライフサイクル管理、新規アプリケーションの導入を加速できる組み込みのローコードアプリケーション開発、変化するワークロードの需要への対応を支援する従量課金制の独立したスケーラブルなコンピュートストレージリソースを提供するとのことだ。
新しいOracle Database@Google Cloudパートナープログラム
日本におけるGoogle Cloudとオラクルのパートナーは今回初めて、Google Cloud Marketplaceのプライベートオファーを通じてOracle Database@Google Cloudを購入し、自社の顧客へ再販できるようになるという。さらに、テクノロジーパートナーも間もなく、自社のソリューションおよびサービスにOracle Database@Google Cloudを組み込むことが可能になるとしている。この新しいパートナープログラムは、Google Cloudの「Partner Advantageプログラム」およびオラクルの「Oracle PartnerNetwork(OPN)」の両方に参加しているパートナーを対象に、今後12ヵ月以内に提供開始される予定だという。販売はGoogle Cloud Marketplaceを通じて行われ、Google Cloudクレジットのみが使用可能になるとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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