日本電信電話(以下、NTT)と、西日本電信電話 香川支店(以下、NTT西日本)、男木島生活研究所(以下、男木島生活研)、ケノヒは、フォトリアルな「男木島」メタバースによる関係人口創出・拡大を目的とした「TENGUN Ogijimaプロジェクト」に関する共同検討を開始した。
高松港から北に8キロメートルの沖合、瀬戸内海の中央に位置する「男木島」(おぎじま、高松市男木町)は、周囲約4.7キロメートル、人口160名ほどの小さな島で、その約6割が高齢者。人口は自然減の状態で、既存の課題に加えてコミュニティの変化にともなう教育や医療などにおける新しい課題も抱えており、その解決に向けて地域外の「関係人口」と呼ばれる人材が、地域づくりの新たな担い手になることが期待されているという。
このような状況をふまえ、同プロジェクトでは、IOWN構想のもとNTTで研究開発を進めている3D空間メディア処理技術や「Another Me」関連技術などを活用。リアル世界/サイバー世界それぞれの体験をシームレスにつなげることが可能な新たなコミュニケーション基盤の社会実装により、関係人口の創出・拡大に取り組むとしている。
今回の取り組みでは、対象地域である「男木島」を3D点群データに代表される現地で計測した情報をもとに、没入感の高いフォトリアルなサイバー空間として再現。本空間を介して、現地の豊かな自然などにも触れながら、島民の方との出会いや交流を促進し、島での生活をリアルに体感してもらうことで、地域外の人の「男木島」に対する情熱や愛着を醸成し、「関係人口」の創出・拡大、「男木島」をはじめとする離島地域が抱える様々な課題解決を目指すという。
各社の役割
- NTT:IOWN構想による、リアル世界とサイバー世界の体験をシームレスに連携可能な新たなコミュニケーション基盤の研究開発・社会実装
- NTT西日本:新たなコミュニケーション基盤活用による、持続可能な地域実現に向けた課題解決シナリオの共創、社会実装
- 男木島生活研/ケノヒ:地域の課題・実態を踏まえた活用方法検討への協力、現地実証・実装支援
なお、「NTT R&D FORUM ― Road to IOWN 2022」において「男木島」メタバースのデモンストレーションを実施。現地関係者とともに同空間の具体的な活用方法を検討後、その可能性や価値・ビジネスモデルの検証を行い、早期の社会実装を予定している。
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