2026年3月5日、「第3回 GMO大会議・春 サイバーセキュリティ 2026」が開催された。本稿では、その中で行われたパネルディスカッション「『爆速経営』と『堅牢な守り』は実現できるのか?」の様子をレポートする。LINEヤフー会長の川邊健太郎氏と、元ヤフー社長で現在はベンチャーキャピタルBoost Capitalの代表を務める小澤隆生氏が登壇し、ChatGPTが登場して3年以上が過ぎた現在のIT業界の様相について議論を交わした。対談の最後には、「孫正義氏の『AIぶっ込み』、どう見ていますか?」という攻めたトピックも展開された。
UIが根本から変わったのは、インターネット業界30年で初めて
登壇者
- LINEヤフー株式会社 代表取締役会長 川邊健太郎氏
- ブーストキャピタル株式会社 代表取締役 小澤隆生氏
- [モデレーター]GMOインターネットグループ株式会社 グループ副社長執行役員・COO グループ代表補佐 西山裕之氏
西山裕之氏:「爆速経営」というキーワードですが、懐かしいですね。今から十数年前、宮坂さん(宮坂学氏:現 東京都副知事)がヤフー(現 LINEヤフー)の社長に就任されたときのキャッチフレーズです。当時は「スマホファースト」の時代でした。小澤さんがヤフーにジョインされたのもこの時でしたね。
小澤隆生氏:そうでしたね。スマホファーストでした(笑)
西山氏:そして今は「AIファースト」の時代になったと。川邊さんと小澤さんは、Yahoo!やLINE、あるいはZOZOTOWNなど、もはや社会インフラともいえるようなサービスを運営し、守ってこられたわけですが、AI時代を迎えた今、これをどう乗りこなしていくのか。そして守りとどう両立していくのかをお話しいただきたいと思います。
小澤氏・川邊健太郎氏:よろしくお願いします。
西山氏:まずはChatGPTが登場した約3年前にさかのぼりますが、ちょうどその頃(2022年)に小澤さんはヤフーの社長に就任されましたよね(2023年9月に退任)。そして川邊さんはZホールディングスの社長でした。それぞれ、ChatGPTの登場をどう受け止めていたのか教えていただけますか。
小澤氏:やはり最初に感じたのは、「これは検索がされなくなるぞ」という危機感でしたね。しかし一方で、ヤフーは7~8年前からeコマースやPayPayを手掛けていましたが、こうしたプロダクトやサービスの開発には、AIがものすごく有効なのではないかと。そんなわけで、強烈な危機感と強烈なチャンスが同時に到来したような感覚でした。
川邊氏:トレンドがこうやって大きく変わるときって、二つのパターンがあるんですよね。一つは「ハードウェア」が変わる。PCからスマホへの変化が分かりやすい過去の例です。そしてもう一つは「UI」が変わるパターンです。タイピングがフリック入力に変わったとか。
私はIT業界に30年ほどいますが、ハードウェアが変わることは今まで3回ほどありました。PC、iモード、それからスマートフォン。しかし、UIが根本的に変わるという経験はこれが初めてです。グラフィカルユーザーインターフェースは1970年代からあったわけで、それがブラウザになって、リンクをクリックするようになって……。つまり、同じようなUIで30年やってきたんです、インターネット業界は。
西山氏:なるほど。
川邊氏:その次のUIが、まさか「会話」になるのかと。大きくプレイヤーが変わるかもしれないと当時は思いました。そんな中、私としては偶然LINEという会話をベースにしたサービスがあってよかった、LINEヤフーに統合しておいてよかったなと(笑)
西山氏:たしかに! 日本でチャットの文化のベースを作ったのはLINEですよね。
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- この記事の著者
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、国内外の最新技術やルールメイキング動向を取材しているほか、DX推進や、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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