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週刊DBオンライン 谷川耕一

ベンダーごとに広がる性能差、x86サーバー最新事情


 20年ほど前にUNIXの専門雑誌の編集をしていた頃は、毎月いくつもの「ハードウェアのスペック表」を書いていた。ひと月の間にサーバーの新製品などがいくつも登場し、それらの性能を分かりやすく比較するにはスペック表が有効だったのだ。ところがここ最近はサーバー製品の発表も減っており、性能や機能を比較するためにスペック表を書くこともなくなった。

x86サーバーの機能、性能はベンダーごとに差が広がりつつある

 20年前と比べれば、世の中で稼動しているサーバー数は今は圧倒的に多いはずだ。サーバーの多くはインテル製のプロセッサーを搭載した、いわゆる「x86サーバー」。サーバーを提供するベンダーは違っても、「x86サーバーはコモディティ化されて、どれも同じで違いはない」と考えている人も多いだろう。ところが現実はそうでなく、ベンダーごとにx86サーバーのテクノロジーには大きな差がある。そう主張するのは、デル株式会社 執行役員 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部長の上原 宏氏だ。

デル株式会社
上原 宏氏

 EMCと統合されたDell Technologiesは、世界のサーバーのシェアでは1位を獲得している。クラウドが伸びているが、世界のサーバー市場は右肩上がりの傾向。調査会社の集計によれば、日本においてもDell Technologiesのx86サーバーのビジネスは成長しており、販売台数は国産ベンダーの20倍ほどもある。つまり他のサーバーベンダーよりも、Dell Technologiesはかなり大規模なビジネスを世界で展開しているわけだ。

 そこには「規模の経済効果が働きます」と語るのは、デル株式会社 執行役員 ISG事業統括 セールスエンジニアリング本部 本部長の瀧谷貴行氏だ。ビジネス規模が大きければ、部品などをより有利な取引条件で調達できる。さらに、研究開発投資も大きくできる。そうなれば、安価でより高性能、高機能なサーバーを市場投入できるのだ。

 今後のサーバー市場では、AIのプラットフォーム需要が増すことは間違いないだろう。IoTの普及により、エッジコンピューティングでのサーバー利用も増えると考えられる。

 「そしてAIもIoTも大量データを高速に処理したいとのニーズがあります。その時のサーバーは膨大なデータを処理する重要なエンジンであり、コンピュートにはより高い性能が求められます」(瀧谷氏)。

 大量データを高性能に処理するためのサーバーが、第14世代のDell PowerEdgeサーバーだ。この新しいPowerEdgeは、NVMeに対応するように最初から開発されたサーバーだ。これによりSAS、SAT方式のSSDよりも、遙かに高速にデータにアクセスができるようになっている。このような最新テクノロジーをいち早く安価に使えるようにできるのも、規模の経済効果の1つとなる。

「最新の技術を利用するほうが、サーバーを利用する顧客のためになります」と上原氏。第14世代のPowerEdgeでは、進化の早い中で新しいテクノロジーをすぐに使えるようにするために、かなり余裕を持たせた拡張性を有している。さらに、システム管理者の手間を削減して運用管理性を向上するために、機械学習などのインテリジェンスを投入して自動化にも力を入れている。もう1つ、今後さらに重要性を増すセキュリティの確保のために、ハードウェアとファームウェアに組み込まれたサーバーサイドの防御機能も提供する。

 その上で安かろう悪かろうではなく、サーバーとしての高い品質の確保にも力を入れている。「95%以上のサーバーが、Dellから出荷後1年以内に何らかの障害で部品交換することはない」という。これはエンタープライズ向けビジネスに力を入れるようになってから、徹底して品質改善に取り組んだ結果だ。実際に製造現場では品質管理手法のシックス・シグマにも取り組んでおり、開発面からも品質向上に努めている。

「サーバーなんてどこのものでもそんなに差はないのではとの声もありますが、ここ最近は各社の違いが出ています。開発投資の規模の違いから、むしろその差は広がっています」(上原氏)

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DellとEMCのサポート体制の融合は緩やかに進む

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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