SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

20年以上使い込んだ基幹システム脱却でライオンの変革の土台整う 「ずっとやりたかった」ことに挑戦へ

第22回:ライオン デジタル戦略部 情報システムグループ 開発チーム 酒井由宇さん

 ライオンは、2018年から4年がかりで、大規模基幹システムのビッグバン刷新を果たした。新システムの基盤には「SAP S/4HANA」を採用。Fit to Standardで経営の高度化とIT運用の省力化を目指す。そして現在、全社プロジェクトとして力を入れているのは、新基幹システムとサプライチェーンの最適化だ。同領域を担当するデジタル戦略部の酒井由宇さんに、物流クライシス、2024年問題など喫緊の課題への対応を聞いた。

ビッグバン刷新を可能にした入念な準備を振り返る

酒井真弓:ライオンの基幹システム刷新プロジェクトでは、新旧基幹システムの並行運用とコスト増大を避けるため、旧基幹システムを一斉に停止し、新基幹システムを一気に稼働させる「ビッグバン刷新」を採用しました。100%成功が保証できない限り稼働させられない、非常に難易度の高いプロジェクトだったと聞いています。

酒井由宇:旧基幹システムは、20~40年前の技術をベースにスクラッチで開発し、ビジネス要件に応じて改修・機能追加を重ねてきました。基幹システムが業務に最適化された格好で、業務部門から見れば、原材料の調達から生産、販売までの複数のシステムが、一つのシステムかのようにシームレスに動いていたのです。

 でも、IT部門目線では、属人化・ブラックボックス化が進み、障害発生時に担当者しか対応できない状態……。いずれ大問題になるのは目に見えていました。そこで、業務内容をSAPの標準機能に合わせるFit to Standardを目指し、基幹システム刷新プロジェクトがスタートしたんです。

画像を説明するテキストなくても可
ライオン デジタル戦略部 情報システムグループ 開発チーム 酒井由宇さん

 このプロジェクトで私は主に、需給関連の旧システムの統廃合を担当しました。業務と密接に結びついてきたシステムですから、うまくクローズしないと業務に影響が出てしまいます。BPRチームを中心に各地の工場にヒアリングし、既存の業務を新システムに合わせるにはどうすればいいのか、互いに少しずつ理解を深めていきました。その過程で、「使い慣れた旧システムも残してほしい」「新システムにもこの機能が欲しい」などの要望もいただきましたが、「並行利用はできない。必ずこの日に切り替える」と何度もお伝えし、納得してもらいました。

酒井真弓:現場から「この機能がなくなったら困る」と言われると、心情的になくしにくいですよね。葛藤もあったのではないでしょうか。

酒井由宇:それまで業務に寄り添ってカスタマイズしてきたこともあって、感情移入してしまう部分はどうしてもありましたね。良かったのは、先にBPRチームが新しい業務フローを設計し、単に「システムが変わる」ではなく、「新システムではこんなふうに業務が変わる」と、業務目線で説明してくれたことです。これにより、「既存の機能がなくても別の方法で業務を遂行できる」と捉えてもらうことができました。

酒井真弓:丁寧に説明して安心してもらうことで、反発を防ぐことができたんですね。

次のページ
サプライチェーンの最適化に、自動化をフル活用

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

酒井 真弓(サカイ マユミ)

ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/19381 2024/04/19 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング