NECは18日、数メートル以下の近距離無線通信において、低消費電力かつ高速伝送が可能なLSI技術を開発したことを発表した。新しい技術では、従来比で約10倍の速度・電力性能を実現したという。試作LSIでは、消費電力3mW、伝送データレートで27Mbpsの送受信の実証を行った。この性能は動画伝送が十分可能なものだ。
この新しい伝送技術は、独自の方法で時分割復調する周波数分割多重(FDM)の方式を新規に開発したことで実現した。また、受信したデータやノイズから電力を回収する技術も開発され、応用されている。これは、信号の時分割復調処理に連動させ、復調の対象でないデータやノイズなどを電力に変換する処理を追加し、受信器の消費電力のおよそ1割を賄うことができたという。今後はさらに改良を行い、2~3年後には3割程度の供給まで性能を向上させたたいとしている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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