パナソニックは29日、工場のCO2排出量削減を加速する省エネシミュレーション技術を開発したと発表した。同技術は、エネルギー消費の高い設備に用いる工程を精査し、効率的な運転条件を正確に予測するもので、具体的な内容は以下の通り。
■乾燥工程のシミュレーション
経験則により制御されていた製品の乾燥工程を、炉の内部温度・湿度の変化や気流予測から推測し、最終乾燥品質特性を予測。実際の炉における最適な運転条件のシミュレーションを可能とした。
■クリーンルームの空調シミュレーション
温度や湿度の他、空気中のダストなどの環境要因により、変更が簡単に行えないクリーンルームの空調制御を、解析境界条件を付与することでシミュレートを可能とした。これにより、クリーンルームや外調機などの空調設備を含む工場全体の気流・温度などをほぼ現実と同等の制度で予測可能となり、種々の省エネアイディアの正確な判定ができるようになった。
■工場エアの供給設計シミュレーション
供給配管の配管径やレイアウトを工場全体でモデル化し、圧力損失などの供給ロスの少ない最適レイアウトをシミュレート。工場から継続的に排出される高圧エアを管理できるようになり、工場の省エネ・CO2削減を可能とした。
同シミュレーション技術を用いたエナジー社和歌山工場では、CO2削減に前年比46%の効果を示したという。