米国SAS Institute(以下、SAS)は、Snowflake MarketplaceでSAS Data Makerのプライベート・プレビューを開始したことを発表した。
SASの製品戦略担当バイスプレジデントであるシャディ・シャヒン(Shadi Shahin)氏は、次のように述べている。
「SAS Data Makerは、最先端で信頼性に優れたAIモデルを利用し、既存のデータを本格的に拡張する統計的に正確なデータ・ポイントを作成かつ無数の異なるシナリオをキャプチャすることで、お客様が結果をより正確に予測し、変化するビジネスニーズを見込めるようになります。これは、実世界で特定のデータが入手困難な場合や、医療、金融、詐欺など、規制の厳しい分野でまれなシナリオを検出する必要がある場合に特に有用です」
SASとSnowflakeは、協力してSnowflakeのデータクラウドを経由して世界のデータを結集し、両社共通のユーザーがデータの価値を最大化できるように支援。SAS Data Makerは、機密性の高い既存データを保護するために実世界のデータを反映した合成データを生成し、自動化された視覚的および統計的評価メトリクスを生成することで、ユーザーのデータ品質と生産性を向上させるとしている。
ユーザーは、組織全体に拡張できる具体的な成果によってイノベーションを迅速化できると同時に、手動のデータ収集やサードパーティ・データセットの購入に伴う高額なデータ取得費用と処理のハードルを回避できるという。
Snowflakeのコラボレーションおよびホライゾン部門責任者であるプラサナ・クリシュナン(Prasanna Krishnan)氏は、次のように述べている。
「SnowflakeネイティブアプリケーションフレームワークとSnowpark Container Servicesの新たなサポートによって、SASのようなパートナーは複雑なアプリケーションをお客様に直接提供し、Snowflake内の安全で管理されたデータに対して実行可能になります。これは、パートナーが高精度な合成データ生成のような価値ある機能をデータ・クラウド内のお客様に迅速、安全、かつ強力に提供できることを意味します」
たとえばアストラゼネカ(AstraZeneca)は、SAS Data Makerを利用して、意思決定を向上させるために合成データを使用することで、自社のデータサイエンティストの能力向上を目指しているという。
SnowflakeネイティブアプリケーションフレームワークとSnowpark Container Services(パブリック・プレビューでの統合)を組み合わせた機能を利用することで、開発者はGPUを含む様々に構成可能なハードウェアオプションで実行されるアプリケーションを構築し、Snowflake Marketplaceで流通、収益化。データを移動せずにユーザーのSnowflakeアカウント内に導入できるとしている。
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