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ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2012年」を発表

1,900を超えるテクノロジを評価し、シナリオを現実化する「転換点」にあるテクノロジを明確化

ガートナーによると、2011年以来ハイプ・サイクルにおけるこれらのテクノロジの動きは顕著であり、コンシューマライゼーションは2~5年の間に「生産性の安定期」に達するとしている(2011年には5~10年と予測)。また、2012年の「先進テクノロジのハイプ・サイクル」では、「『過度な期待』のピーク期」にあるテクノロジとしてBYOD(個人所有デバイスの業務利用)、3Dプリンティング、ソーシャル分析などがあげられているという。

ガートナーのハイプ・サイクルは、1,900を超えるテクノロジを92の分野にグループ化し、その成熟度、企業にもたらすメリット、今後の方向性に関する分析情報を、企業の戦略・プランニング担当者に提供するものだという。今回の最新のハイプ・サイクルには、ビッグデータ、インターネットオブシングス、インメモリコンピューティング、戦略的ビジネス能力などが含まれているという。

1995年以来、ガートナーは新しいテクノロジおよび革新的テクノロジに伴う「大きな期待」「幻滅」「最終的な安定」といった共通のパターンを明示する手段として、ハイプ・サイクルを活用している。ハイプ・サイクルは、年に1回更新され、このサイクルに沿ってテクノロジを追跡するとともに、企業・組織がいつどこにこれらのテクノロジを導入すれば最大の効果と価値を手にできるのかについて、指針となる情報を提供してきたという。

図1  先進テクノロジのハイプ・サイクル:2012年

出典:ガートナー(2012年8月)

ガートナーでは、ハイプ・サイクルに示すテクノロジが十分成熟すれば、テクノロジの観点からシナリオに描かれた現実が実現される転換点があるとしていおり、そのようなテクノロジを「転換点テクノロジ」と呼んでいるという。ガートナーは、2012年のハイプサイクルで示された転換点テクノロジについて、シナリオ別に分類して次のように説明している。

・BYOE(Bring Your Own Everything)
 個人所有のデバイスを職場へ持ち込んで利用するという環境が受け入れられるようになり、今回のハイプ・サイクルに記載されているテクノロジとトレンドの中でこのシナリオに該当するものとしては、BYOD、ホスト型仮想デスクトップ、HTML5、さまざまな形式のクラウドコンピューティング、シリコン負極電池、メディアタブレットなどがある。このシナリオが実現し標準となるためには、これらすべてのテクノロジとトレンドが成熟する必要があるが、とくにHTML5、ホスト型仮想デスクトップ、シリコン負極電池は転換点テクノロジの重要な候補となる。

・スマーターシングス
 インターネットに接続されたさまざまなスマートなものとして、2012年のハイプ・サイクルには、自律走行車、モバイルロボット、インターネットオブシングス、ビッグデータ、ワイヤレス送電、複合イベント処理、インターネットテレビ、アクティビティストリーム、マシン対マシンコミュニケーションサービス、メッシュネットワーク:センサ、家庭内健康モニタリング、コンシューマー・テレマティクスなどが含まれている。このシナリオの成功にとって転換点となるテクノロジとトレンドとしては、マシン対マシンコミュニケーションサービス、メッシュネットワーク:センサ、ビッグデータ、複合イベント処理、アクティビティストリームがあげられる。

・ビッグデータと低価格のグローバルスケールコンピューティング
 この分野で2012年のハイプ・サイクルに記載されているテクノロジとトレンドには、量子コンピューティング、さまざまな形式のクラウドコンピューティング、ビッグデータ、複合イベント処理、ソーシャル分析、インメモリデータベース管理システム、インメモリ分析、テキスト分析、予測分析などがある。このシナリオが実現して企業、政府官公庁、消費者が利用できるようになるために必要な転換点テクノロジは、クラウドコンピューティング、ビッグ・データ、インメモリデータベース管理システムである。

・人とテクノロジのコミュニケーション
 2012年のハイプ・サイクルでは、ヒューマンオーグメンテーション、立体ホログラフィックディスプレイ、自動コンテンツ認識、自然言語による質疑応答システム、音声翻訳、ビッグデータ、ゲーミフィケーション、拡張現実、クラウドコンピューティング、NFC、ジェスチャコントロール、仮想世界、生体認証、音声認識があげられている。これらの多くは、長年「先進」とされてきたテクノロジで、現在は一般的になりつつあるが、自然言語による質疑応答システムとNFCが数少ない転換点テクノロジとなっている。

・次世代のペイメント(決済・支払い)環境
 2012年のハイプ・サイクルでこのシナリオの一部とされているテクノロジは、NFCペイメント、モバイルOTA(Over-the-Air)ペイメント、生体認証である。より間接的ではあるものの、ペイメント環境に影響を与える関連テクノロジとして、インターネットオブシングス、モバイルアプリケーションストア、自動コンテンツ認識もあげられる。NFCペイメントとモバイルOTAペイメントが成熟したとき、転換点を越えられる。

・クラウド上の顧客の声から得られる新たな知見と未来
 2012年のハイプ・サイクルでは、このシナリオのテクノロジおよびトレンドとして自動コンテンツ認識、クラウドソーシング、ビッグデータ、ソーシャル分析、アクティビティストリーム、クラウドコンピューティング、音声マイニング/スピーチ分析、テキスト分析をあげている。一方、ガートナーは、このシナリオを阻害する可能性のあるトレンドとしてプライバシーバックラッシュ(プライバシー問題を非常に懸念する動き)と、広い領域での投資が加速するかという意味でビッグデータが、それぞれ転換点のテクノロジであると考えている。

・自宅での3Dプリンティング
 このシナリオでは、消費者は現在のデジタル写真と同じように、玩具や家庭用品などの物理的な対象を自宅で3Dプリンティングできる。3Dスキャニングとの組み合わせによって、スマートフォンで対象をスキャニングし、その複製に近いものを3Dプリンティングすることが可能になる。ガートナーのアナリストは、3Dプリンティングがニッチ市場を超えて成熟するまでには6年以上を要すると予測している。

なお、ガートナーでは10月3~5日に東京において「Gartner Symposium/ITxpo」の開催を予定しており、その場でITプロフェッショナルのための情報を提供するとしている。

■「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2012」の詳細(英文)
www.gartner.com/hypecycles

■「Gartner Symposium/ITxpo 2012」の詳細
www.gartner.co.jp/symposium

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