DB Onlineの連載では、すでにお馴染みの顔となりつつあるアシストの岸和田さん。彼がOracleに触れたのは、Ver6の頃。当時は、データベースと言えばInformixやIngresのほうが有名。そんな頃からOracleに触れてきた岸和田さんは、国内でも屈指のOracle経験値を持つ。その彼がOracleの変遷について「Release 7.3.4から、Oracleは変わったなと思います。このバージョンで実装されたさまざまな機能が、いまの11gなりにめんめんと続いていますね」と言う。7.3.4で、Oracle Databaseの将来が見え、このとき実装された機能でOLTP系もデータウェアハウス系も「両方」できるようになったと感じたそうだ。
Oracle Databaseはシステムデザインレベルで「ずっと動き続ける」ようになっている

そして、製品名に”i”が付くようになったタイミングで進化したのが、Real Application Clusters。岸和田さんは、OracleのクラスタリングにはOracle V6時代、つまりは「Oracle Parallel Server」と呼ばれていた頃から扱っている。なので、Oracleのクラスター機能の、いいところも悪いところも知り尽くしている。
その岸和田さんが、Real Application Clustersで採用されている共有ディスク型のほうが「アプリケーションは明らかに作りやすいですね」と言う。ディスクを共有しないシェアードナッシング型は、データウェアハウス系ではいいが、OLTP系にはシェアード型のほうがはるかに向いている。
さらに、最近のReal Application Clustersの進化には驚かされているとのこと。
「昔からアクティブ、アクティブで使えるメリットは大きく、OLTP系の実務で広く使われているクラスタリングの仕組みは、Oracleだけでしょう。可用性を重視すると、選択肢はOracleしかないですね」(岸和田さん)
これは、Oracleのクラスタリングが「ずっと動き続ける」ことを、システムデザインレベルで持っているから。MySQLやPostgreSQLなどでも、並列にノードを並べ「動かし続ける構成」はとれる。しかし、OLTP系のトランザクションをそれで動かし続けようとすれば、どうしてもアプリケーションに依存しなければならない。
「Web系のシステムであればそれもいいかもしれませんが、OLTP系の業務システムで必要な可用性を確保するのは難しい。そうなればReal Application Clustersを選択することになります」と岸和田さんは言う。
とはいえ、オープンソースのMySQLやPostgreSQLでも、動き続ける仕組みを作れないことはない。それを提案できるのが、データベース専門家集団のアシストの強み。なので、顧客の要望に合わせ適宜選択し、さまざまな提案をする。これは、OracleについてもMySQLやPostgreSQLについても、その中身を熟知しているからこその技術力、そのたまものだ。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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