2025年4月、MIXIは経営管理の高度化に向けて「FP&Aインテリジェンス部」を新設した。CFO 島村恒平氏が主導する同部は、AIエージェントを駆使して定型業務を7割削減するなど、既に一定の成果をあげている。そこで本稿では、AI時代におけるCFO組織の在り方などについて島村氏に訊いた。
経営企画から独立した「FP&Aインテリジェンス部」のねらい
2025年4月、MIXIは経営企画部からFP&A(Financial Planning & Analysis)機能をスピンアウトさせ、「FP&Aインテリジェンス部(FP&AI部)」を新設した。この組織改編の背景には、全社的な「AI前提での業務変革」という強力なトップダウンの方針、そしてCFOを務める島村恒平氏のこだわりがある。
島村氏は、USEN(現U-NEXT HOLDINGS)での管理会計業務を皮切りに大手コンサルティングファームでの経験、グリーでの管理会計制度の立ち上げなどを経て、2016年にMIXIに入社。現在はCFOとして経理・財務・IRを管掌する「コーポレートファイナンス本部」と経営企画・FP&Aなどを管掌する「経営推進本部」、そして「人事本部」を統括している人物だ。
「財務として見るべき領域が複雑化し、資本効率などをより深く分析する必要があった。そこでFP&A機能を切り出した」(島村氏)
人事本部/経営推進本部/コーポレートファイナンス本部担当 島村恒平氏
特筆すべきは、FP&Aに「インテリジェンス」という名称を付与している点だろう。財務情報だけでなく、事業部のKPIなども含めた共通データベースと連携することで、データドリブン経営の実現を目指す。また、前述したようにMIXIでは「AI前提で業務をすべて塗り替えろ」という号令がかけられており、単なるFP&A機能にとどまらないAIの活用にも取り組んでいる。
現在、FP&AI部には、データサイエンティストやデータエンジニアは配置されていない。その理由について島村氏は、「データの集計・分析はAIが担える領域だ。従業員には別の価値ある業務をこなしてもらいたい」と同部の役割を明確化する。
FP&AI部で進めるAI活用は単なる業務効率化ではなく、「経営の意思決定AI」の構築だ。経営会議の資料作成や論点抽出などをAIが担い、経営者の負荷を下げる。そのために、これまでExcelを駆使して人力で行っていた予測業務をAIに任せることで、FP&A担当者が「今後どうすべきか」という未来の議論にリソースを割けるようにしていく。既にその成果は着実に表れている。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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